パインさんは、かんばんやさんです。 パインさんの住むリトル・タウンのかんばんは、すべてパインさんが書きました。 大きいかんばんや、小さいかんばん、文字だけのかんばんや、イラストつきのかんばん。 パインさんはどんなかんばんでも作れます。
ある日、町のかんばんが古くなってきたため、パインさんは町じゅうの全てのかんばんを作り変えることになりました。町じゅうのかんばんってすごい量ですよね……。けれどもパインさんはかんばんを書くのが大好きなので、どんどん作っていきます。 そして出来上がった新しいかんばんを取り付けるという日、なんとパインさんの大事なメガネが見あたりません。仕方なくよく見えないままにかんばんを取り付けると、あっちもこっちもあべこべで、次第に町中が大変なさわぎに!
皆さんが普段見かけるかんばんが、全然違うところについているなんて、いったい想像ができるでしょうか。本の中では、楽しい絵でかんばんのあべこべぶりをたっぷり見せてくれます。 町の人たちが慌てる様子にはハラハラ・ドキドキ。けれどもこのドタバタぶりにはユーモアがいっぱいで、思わず口があいてしまったり、頬がゆるみっぱなしになってしまいそう。
全ての見開きに楽しい絵が文と同じぐらい入っているので、読み物の体裁でありながらも、絵本のように読める一冊。絵本から読み物への移行もスムーズに進めてくれることでしょう。とくに5歳から7歳ぐらいの子どもたちのはじめてのひとり読みにおすすめしたい作品です。
また、お話を読み終えたら、ぜひあとがきの「作者のことば」を大人と子どもで一緒に読んでみてほしいと思います。こちらには作者のレオナード・ケスラーさんが、かんばんを好きになったわけが書かれています。この「作者のことば」を読むと、なぜこのお話がこんなにワクワク楽しいお話になっているのか、その秘密が分かりますよ。
この後も続いていく「パインさん」シリーズ。真面目な働きモノなのに、うっかり屋の楽しいパインさん、いったい次はどんなゆかいなお話を見せてくれるのでしょうか。
(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)
かんばん屋のパインさんが町中のかんばんをつくることになりました。後日、かんばんを取り付けようとしますが、メガネが見あたりません…。よく見えないまま、かんばんを取り付けたため、町中が大変なさわぎに?うっかりモノのパインさんがまきおこすだいそうどうにハラハラ・ドキドキする児童文学
読み物への移行時期に
カラフルでおしゃれなイラストに惹かれ、手に取りました。
リトルタウンの看板を一手に引き受けるパインさん。あるとき町中の看板を作り替えることになって……。
看板がないと、町中が大変なことになってしまうということがよくわかるお話でした。
楽しいイラストがたくさん入っていて読みやすいです。えほんから読み物への移行時期にぴったりだと思います。
続編も続けて出るようなので、楽しみです。 (クッチーナママさん 40代・ママ 女の子20歳、女の子17歳、男の子14歳)
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