
「おや ここは どこだろう」
地面の下を掘りすすめながらもぐらくんがたどり着いたのは、知らない場所。先へ進んでみると、プールがあります。どれどれ……じゃぼんっごぽごぽ。残念、もぐらくんは泳げません。そりゃ、そうだよね。すると。
「あ だれか きた」
プールの中から顔をのぞかせたのは、ぞうです。ぞうは、もぐらくんに帽子をかしてくれます。さらに、ねことたぬきとうさぎがやってきて、浮き輪をかしてくれます。そんな風に、次から次へと誰かがやってきて、もぐらくんに色々とかしてくれます。そのうちにもぐらくんの姿はすっかり……!?
もぐらとぷーるで、もぐらぷーる。この言葉から、どんなお話を想像するでしょうか。不思議で愛らしくて、ちょっとばかばかしくて。どこまでも魅力的な絵本をつくってしまったのは、イラストや広告の世界でも活躍されている絵本作家中山信一さん。独特な視点から生まれる設定と、ゆるい空気感による心地良さは、どの作品にも通じるものかもしれません。
さて、もぐらくんは泳げるようになったのでしょうか? 想像の少しだけ斜め上を行く展開と、想像したことのない、でもどこかで見たことのあるようなもぐらくんの姿。思わず大きな声で笑わってしまうこの一冊、ぜひ手にとって確かめてみてくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

もぐら+ぷーる=もぐらぷーる
ぼこっ おや ここは どこだろう もぐらくんが でたのは しらないところ さきへ すすむと そこには ぷーるがありました
泳げないもぐらくんのもとに現れるさまざまな動物たち。水泳帽子や浮き輪など、身に着けているものを貸してくれます。さて、もぐらくんは泳げるようになるのでしょうか。
【編集担当からのおすすめ情報】 借りたアイテムを身に着けることで、だんだんと姿が変わっていくもぐらくん。最後は不思議な、でもどこか見覚えのある形へと変化します。これ、なんでしょう?

4歳のこどもと何度も繰り返し読んでいる一冊
力の抜けたかわいらしい表紙が気になって手に取りましたが、とてもよい絵本です。
主人公の「もぐらくん」、プールにきたのに泳ぐことができません。つぎつぎとプールから現れるどうぶつたちが、身に着けている浮き輪や水泳帽を貸してくれるのに、どうもうまく(?)身に着けられないもぐらくん。ページをめくるごとに、だんだんともぐらくんの姿がかわっていき、最後には思わぬ姿へと変貌を遂げます。もぐらくんとどうぶつたちの掛け合い、そしてずーっと描かれているとある生き物。思わず夢中になる工夫が凝らされていて、夏でもないのに我が家の定番本になりました。
ページをめくる純粋な楽しさや、絵本の世界観と過不足ないことば、そしてなにより、中山信一さんの個性あふれる絵。どれをとっても文句なく、ぜひみなさまにおすすめしたい本です。
(トミコさん 30代・ママ 男の子5歳)
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