富岡冬野 われを見知らぬ街にきて

富岡冬野 われを見知らぬ街にきて

著: 清水 あかね
出版社: 書肆侃侃房

在庫あり

税込価格: ¥2,420

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作品情報

発行日: 2025年12月17日
ISBN: 9784863857117

272ページ

出版社からの紹介

〈両脚の無い子が街に這つてゐる空にひそかな三日月のかげ〉

上海にて35歳で客死した伝説の歌人・富岡冬野の知られざる生涯

文人画家富岡鉄斎の孫として1904年に生まれた富岡冬野は、15歳で「心の花」に入り頭角を現した後、プロレタリア運動に関わり、東宝で映画製作に関わる夫とともに上海に渡り、上海事変に巻き込まれた民衆の悲惨を歌に詠んだ。

佐佐木信綱、齋藤瀏、佐藤春夫、五島美代子らが高く評価し、一つ年上の前川佐美雄からライバル視もされた富岡冬野はどのような歌人であったのか? 大正末から昭和初期の激動の時代を生き、35歳で若くして客死した彼女の生涯が、本書で初めて明らかになる。


◎片山廣子と齋藤史が編纂した遺歌文集『空は青し』から160首余りを抄録
◎鶴見和子との合同壮行会、李香蘭により施された死化粧など、貴重な写真を収録


「女が女を本当に好きになれるといふ事を、私はふゆのさんを得て初めて理解したのだつた。(略)私は女学生のやうに甘やかな気持と、それから烈しい同志愛といふにも似た気持と両方を持つて、ふゆの様に接してゐたのだつた」(五島美代子)

「御一緒に坐つて居る丈で、この方は、私に欠けて居る実に多くのものを教へて下さつた」(齋藤史)


◎富岡冬野の作品の一部
ふるさとの大き樹しげり暗き家にひねもす何もせずゐし娘
楡の樹も空なる雲もかささぎもわれを見知らぬ街にきて住む
しどけなく物思ふ春を谷かげの蛇やとかげとわが犬は遊ぶ
南京路(ナーチンル)の夜のカフヱに子猫ゐてすゐつちよと遊ぶ秋となりぬる
両脚の無い子が街に這つてゐる空にひそかな三日月のかげ


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