
ホリーは、100年ほど前に、イギリスの田舎の小さな工房でつくられた本棚。今はある町のアンティークショップの片隅で、窓から通りを眺めています。そのショップに、近くのケーキ屋さんで買い物をした帰りの、小さな女の子がやってきました。
女の子はすみの方になんの飾りもなくぽつんと立っている本棚のホリーを見つけ、持ち歩いているお気に入りの絵本を、ホリーの棚に置きました。うれしくなったホリーは、昔話をはじめます。 「ぼくは たくさんの こどもたちのほんを いっぱいならべて すてきなときを すごしてきたんだよ」
アンティーク家具としていろんな国を旅し、共に並んだ古いコーヒーカップやグラスたちとおしゃべりをしたこと。水害で壊れた棚を家具職人さんに修理してもらったこと。本を並べてもらえることがどんなに嬉しいかということも……。女の子がなんと答えたか、続きは本を読んでみてくださいね。
本書の作者は、長く住宅関連の仕事に携わる中で、家に本棚があることは大切だと思うようになり、物を大切にする気持ちや本を好きになるきっかけになればと願っておはなしをつくったそう。
本棚の向こう側へ想像が広がります。街で見かける古い家具も、きっとどこかで愛されてきたもの。ホリーの昔話を、女の子といっしょに耳をすませるような気持ちで味わえる本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)

100年の時をこえ、旅をするアンティーク本棚のホリー。長い長い旅を経て、町の古い家具などを扱うショップに置かれていた。ある日、ケーキ屋の帰りに立ち寄った女の子が、さびしそうなホリーを見つける。ホリーが女の子に語り始めた。彼が教えてくれる本の素晴らしさや大切さ、ものを大事にする心……。ホリーとの“宝物”のような時間を描いた絵本。
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