
わたしが生まれる前、ママとパパが保護犬センターから迎えた子犬。 柵の間から前足を出して「パー」と開く姿から名まえは「グッパー」に決まりました。 わたしがあかちゃんの頃、椅子から落ちた時に受け止めてくれたのも、テーブルにぶつかりそうになった時、前に立ちはだかってくれたのもグッパー。 朝の公園でおなじみの散歩仲間と会ったとき、仕事帰りのパパが落ち込んでいたとき。グッパーは肉球を「グッ パー」してタッチ! みんなを笑顔にしてくれるのです。つらい思いをこっそり打ち明けたときは、まるでわたしの言葉をわかっているかのよう。 グッパーのにおいは、しあわせのにおい。 やがてわたしは小学校高学年に。グッパーが家族になって10年以上が経ちました。 年老いて肉球はしわしわ、パッとひらくこともできなくなったグッパー。家族がそばに寄り添い続けるなか、別れの日は、刻一刻と近づいてきて……。
ともに過ごした愛犬と少女、その家族の12年間。ずっと一緒に成長し、ずっとそばにいられると思っていたグッパー。しかしその願いが叶うことはありません。愛するペットとのお別れとその痛みを、自身の経験に重ねる人も多いのではないでしょうか。 でも、グッパーが遺してくれたのは思い出ばかりではありませんでした。 会いたくなった時のおまじない、クッキーのにおい。いつでも、どんなときも、その存在をちゃんと感じることができるのです。 ペットと暮らすかけがえのない日々を愛しむ、切なくもあたたかな物語です。
(竹原雅子 絵本ナビライター)

クッキーのにおいは、しあわせのにおい。グッパーのにおいは、しあわせのにおい。成長する少女と、年を重ねる愛犬グッパー。笑った日も、泣いた日も、いつもそばにいてくれた。「いつもいっしょだよ」その約束は、空の向こうへ行っても消えなかった。愛犬とのかけがえのない日々を通して、命の尊さと家族との12年を描く、やさしくて切ない物語。
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