谷川俊太郎さんが若い頃書いた詩「川」を、中村悦子さんが絵本に翻訳したという作品『かあさん どうして』。 「かあさん かわはどうしてわらっているの?」「かあさん かわはどうしてやすまないの?」 どうして?どうして?と問いかける子うさぎ達は、豊かな自然の中で色々なものを見て、聞いて、発見しながら大きくなっていきます。やがて旅たちの時がきて・・・。 実際に川を訪れ体感しながら描かれたという中村悦子さんの臨場感あふれる風景の描写が本当に素晴らしく、壮大な詩の世界に更に深みを与えてくれています。そして、それぞれの季節の中で佇むうさぎの親子の姿は見ているだけで様々な物語を感じさせてくれるのです。 詩の世界を絵本で体験できる喜びを是非味わってみてください。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
谷川俊太郎さんの詩「川」が絵本になりました。「母さん、川はどうして休まないの?」と、子うさぎは尋ねます。「海の母さんが、川の帰りを待っているのよ」と母さん。成長した子うさぎ達に旅立ちの日が訪れ、海の母さんに会いに行くことに――。
谷川さんの詩が雄大に展開する素敵な作品
3歳の娘と読もうと購入しました。が、娘に読んでやる私の方が正直、最後のページに行きつく前に涙がでそうになりました。
谷川俊太郎さんの「川」という詩がもとになっているのですが、そうですね。例えて言うなら、スクリーンにうさぎの親子の映像が流れていて、テロップで、詩が浮かんでくるような感じでしょうか…。詩と絵とが折り重なって、また新たな世界を展開している、あぁ、詩って、こんな風に味わっていくものなんだなぁ・・・と教えて貰った気がします。
娘は、後半、文字がなくなり絵だけでストーリーが展開していくようになると、まだまだ深くは理解できないようですが、前半の詩が書かれている部分がプロローグで、後半から本篇がスタートするような深みがあります。
この構成も素晴らしいと思います。
絵を読む、詩を味わう・・・余韻にひたれる絵本です。
幼い子と一緒に楽しむのは難しいかもしれませんが、子どもはきっと、何度も繰り返し読んでいき、自分で読めるようになるにつれ、深く読みとれるようになっていくと思いました。
ぜひ多くの方に知っていただきたい素晴らしい作品です。 (soyosoyowindさん 40代・ママ 女の子3歳)
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