ドドさん夫婦の家の壁と壁のすき間に住む、おかあさんねずみと、四ひきの子ねずみ。そのうち四ひき目は、「やかましやのヤカちゃん」とよばれていました。 どうしてこんな名前がついたかって?
それはね…このヤカちゃん、とてつもなく声が大きかったからなんです。
たとえばこんな風。おかあさんねずみが、ドドさん夫婦に存在を気づかれないよう「けっして音をたててはいけない」と注意している時も「うん、わかったよ、おかあさん」と答える声のなんと大きいこと!他にもおかあさんねずみの注意に対して、全部うんと大きな声で答えるヤカちゃんのお返事の繰り返しが何とも愉快でたまりません。でもお返事のしかたから、ヤカちゃんがとっても素直でまっすぐで良い子だということが伝わってきて、どんどんヤカちゃんを応援したくなってしまいます。けれどもやっぱりその大きな声のせいで、ドドさん夫婦の家にねずみがいることがばれてしまって…。ここからドドさん夫婦のねずみ退治作戦が始まります。ドドさん夫婦とヤカちゃんの対決の結末やいかに…?
繰り返しの楽しさや、ヤカちゃんの声の大きさ具合、ドドさん夫婦とヤカちゃんとのやりとり、ここぞという時に役に立つおかあさんねずみの歌など、注目したい楽しみ満載のこちらの読み物は、一度読んだら子ども達のお気に入りになるに違いありません。『なぞなぞのすきな女の子』でおなじみの大社玲子さんのさし絵もユーモラスで楽しく、特にころころ変わるヤカちゃんの表情と目の動きはみどころたっぷりです。
アメリカ生まれの詩人・翻訳家であるリチャード・ウィルバーさんによって書かれたこちらのお話は、アメリカでは1963年に出版された後、ストーリーテリングによって多くの子どもたちに親しまれているのだそうです。ぜひ日本でも、さまざまな場所で大人から子ども達へ声に出して読んであげると、一層楽しい世界が増すことでしょう。 さて、ヤカちゃんの大きな声のところはどんな風に読みましょうか。
(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)
ある家にすむ母さんねずみと子ねずみたちは、人に気づかれないよう静かに暮らしていました。ところが末の子ねずみヤカちゃんの声の大きいこと。きっと大変なことがおこるでしょう!
ヤカちゃん役を息子に任せ
楽しい幼年童話です。
ドドさんという人間の家に4匹のこねずみと住みついているねずみのお母さん。
ドドさん夫婦に気付かれぬように、静かに静かに子育てをしてきました。ある日お母さんは、子どもたちに自立を促します。
自立と言っても同じドドさんの家の中での事ですけれど(笑)。
自立にあたって、お母さんは子どもたちに大切な注意をします。
中でも大切なのは、けっして音を立ててはいけない事。
ねずみがいるとドドさんたちにわかったら、ねずみ獲りをしかけられるから。
そこでお母さんは、ねずみ獲りに引っかからないようにと、注意を歌で伝授。
「猫に注意」も歌で。
こそこそ話すお母さんに小さな声で応える3匹のこねずみ。
でも、ヤカちゃんはとにかく大きな声「わかったよ。」と応えます。
全然わかってないじゃん。と、つっこみを入れたくなるこの楽しいやりとりの繰り返し。
でも、大きな声が功を奏し、・・・。
ちょっと長いので、2年生くらいから一人読みができそうです。
でも、我が家ではヤカちゃん役を当時6歳の息子に任せ、一緒に読んで盛り上がりました。 (アダム&デヴさん 50代・ママ 男の子12歳)
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