みんなが寝静まった夜中の一時。一体何が始まるというのでしょう。 大きな黒い山高帽とマントをはおった「シルクハットぞく」が、続々と集まってきて一斉に空へ飛び立ちます。 星の輝く美しい夜空のもと、ちょっと馬鹿ばかしいほどの大げさな演出。更に目配せなんかして、笑っちゃうほど格好良いふるまいの彼ら。 そんな「シルクハットぞく」が行う大事な大事な仕事の瞬間、とてつもなくささやかな事を行うその場面! 究極なユーモアを感じて笑おうと思っていたら、なぜか涙が出てきます。 世界中あちこちで行われているシルクハットぞくの、どこまでもさり気ない仕事の事を思うと泣けてきちゃうんです。 このほんのちょっとした心遣い、誰かの事を思ってする行為を見ながら、夜安心してぐっすり眠れるというのは、何よりも一番の平和を感じられる瞬間なんだという事に気が付かされるのです。
絵は自由でのびのびと、どんな時にもユーモア感覚を忘れずに、それでいて、誰かの幸せを願う気持ちを強く持っている・・・作者の資質が存分に伝わってくるこの作品は、私にとっても大好きな絵本になりそうです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
シルクハットぞくは、夜中の1時にやってくる。 空をとんで、窓のすきまをするりとぬけて、 ぐっすり寝ている人のまくらもとに立つ。 そうして、ふとんのはじっこをそっと持つと…。 いったい、何をするのかな? 「(シルクハットは)うちにもくるの?」「ほんとにいるの?」 「いないよー」「いるかもしれないよ」と、子どもたちに大反響! ちょっぴり不思議な、おやすみ前の絵本。
ちょっとだけ・・・、ちょっとだけ・・・
楽しみにしていたサイン本が、あっという間に届きました!!
おくはらさんの直筆サインとイラストに感無量です!!!
最初、『シルクハットぞくは よなかのいちじに やってくる』というタイトルに、
「どんなお話??」と思い、
黒っぽい表紙を見た時には「怖い話なのか?!」と思いましたが、全く違っていました!!!
とっても穏やかで、優しい素敵なお話でした。
シルクハットぞくはよなかのいちじにやってくる
そうして ふとんのはじっこを そっともつと・・・
ちょっとだけ かけなおした
あっちのいえでも こっちのいえでも
ちょっとだけ・・・ ちょっとだけ・・・
せかいのあちこちでちょっとだけ・・・
黒いマントに、黒いシルクハット。
イメージ的には怖そうな感じのシルクハットぞくですが、ちっとも怖くありません。
みんなどこかユーモラスで優しい目。
大きなことをするのではなく、おへそが隠れるくらい、
ちょっとだけ、ちょっとだけみんなのふとんをかけ直してくれます。
子供にとって、夜中の1時って真夜中で怖いですよね。
でも、シルクハットぞくがやってくる夜中の1時はとても美しくキラキラしています。
おくはらゆめさんの、さりげない優しい気持ちと平和への願いが
ユーモアをちりばめつつ穏やかに伝わってくる一冊でした。
3歳の次女は「おなかのおへそが隠れるところがすき」と言っていました。
8歳の長女は「うまく言えないけれど、この本大好き!!!」と言っていました。
そして寝る前に、「シルクハットぞく、来るかな(^^)」と笑っていました。
昼間読んでもとっても素敵ですが、
夜、寝る前の読み聞かせにオススメの一冊だと思います。
優しい気持ちでよく眠れそうですよ(^^)♪ (ゆりわんちゃんさん 30代・ママ 女の子8歳、女の子3歳)
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