
小さいけれど居心地のいいホテル。 ぼくがこのホテルをはじめてどのくらいになるだろう?
世界中からやってくるお客さんから知らない国の話を聞き、ぼくはこの町について話す。この町の事なら何でも知っているからね。だけど、いつか……。
彼は、夢の中では大きなかばんを持ち、飛行機に乗って、知らない町から町へと自由に出かけていく。みんなが教えてくれた、世界中のまだ見ぬ憧れの地へ。海岸線を眺めながら風に吹かれたり、明るい日差しの下で開かれるパーティーで友人にもてなしを受けたり、果てしなく続く景色の中で車を走らせたり。
いつも心の中で大切にあたため続けている旅への想い。ホテルの主人である「ぼく」を通して、世界的な評価を受ける絵本作家みやこしあきこがリトグラフという版画の手法を使って印象的に描き出す。
それは夢の中のようであり、でも確かにそこにある具体的な風景であり。流れる空気や温度、静かに吹く風の音や賑やかなしゃべり声まで見えてくるよう。豊かな色彩の版を丁寧に重ねながら、自らも旅に憧れる作者の気持ちが、その少し切なくも美しい景色の数々を生み出していくのでしょう。
私たち読者は絵本をめくりながら、「どこか遠くへいきたい気持ち」を主人公に重ね合わせ、少し胸を締めつけながら、やはり旅への想いをかき立てられていくのです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

ぼくはまだ、このちいさなまちしかしらない。 だけどいつか、ぼくが、おおきなかばんをもって、このまちをでて、このくにをでて……
ニューヨークタイムズ・ニューヨーク公共図書館絵本賞 ボローニャ・ラガッツィ賞特別賞 他 世界中で高い評価を受ける実力派作家がリトグラフで描く、美しいたびの絵本。

憧れ
30部屋の小さいホテルだけれど、居心地の良い僕の自慢のホテル。毎日、世界中からいろいろなお客さんがやってくる。僕が、お客さんから知らない国の話を聞く。そして、僕の町について話す。、「僕は出かける。夢の中で。大きな鞄をもって。飛行機に乗って知らない街から、知らない街へ。」前に泊まっていったお客さん、世界中から手紙が届くから、いっそう僕を旅へとかきたてる。ホテルマンとしての生きがいがあるから、なかなか旅にはいけないかもしれないけれど、憧れもいつか現実になると思いました。 (押し寿司さん 60代・じいじ・ばあば )
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