まず興味深いのは、生まれてくる赤ちゃんは視覚はまだ定まっていないけど聴覚はもう大人と一緒だという事。お腹にいる時からじっと耳を澄ましているのです。そうなってくるとまだぼんやりしてる様な0歳の赤ちゃんも立派に絵本を楽しんでいる可能性が大いにあるという事になりますね!
そんな小さな赤ちゃんから言葉を覚える前の子でも楽しめる絵本というのが今回の特集、音と言葉で遊ぶ絵本。言葉になる前のことば。その音を響きやリズムや感覚で楽しんでしまおうというこの絵本達、集めてみたらとても魅力的なものばかり。更にそれを形で表してしまおうというのです。かなり高度な感覚ではないでしょうか。だから私達がみるといっけん??となってしまうものも多いのです。でもそんな絵本達に共通しているのが子供に見せたら喜んだ、という反応。きっと柔らかい子供達の脳の方が理解するのが速いのでしょうね。勿論私達の身の回りの音というのも赤ちゃんにとっては新鮮で驚きの世界です。そういった音をたくさん集めた絵本もあります。
この様な言葉遊び絵本を精力的に創っているのが詩人の谷川俊太郎さん、言葉を創りだす想像力は留まる所を知りません。そして組む作家によってこんなにも様々な絵本が出来上がるのかと、比較するのも面白いです。その他、色々な作家が創りだす不思議な響きの言葉の世界を堪能してください。日本人ならではのこの感覚を大事にしたいものですね。
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編集部おすすめ作品
「しーん」地面から「もこ」何かが出てきて・・・。詩人谷川俊太郎、画家元永定正のコラボレートで出来た最高傑作絵本ではないでしょうか、奇妙な形と言葉から成る独特の世界。
反応が薄くても赤ちゃんの頃から聞かせてあげて下さいね。しっかり聞いているはず。何歳になっても大喜びされるこの絵本、真っ白な脳の子供達の方が先に理解できるのかもしれませんね。
水が「じゃあじゃあ」、犬が「わんわん」。身近なものの音と絵がシンプルに描かれていて初めての赤ちゃん絵本として人気です。赤ちゃんにはこんなにも音の世界が新鮮なのだと改めて気づかせてくれます。特に目で見るものと音や鳴き声が一致する瞬間(一歳になる頃)の世界が広がる喜びは格別。その時期に読んであげると夢中になるはずです。
前作「がたんごとんがたんごとん」もそうですが、可愛い主人公達と色鮮やかな色に加えて、耳に心地よいことばの繰り返しが赤ちゃんにとって大きな安心感につながり人気絵本となっているのでしょね。そして抱っこしたりお膝の上で読んであげると読むときのママの振動が伝わり幸福感にも包まれます。繰り返しよんであげて。りんごりんごりんご・・・あれ!?
動物の鳴き声だけで構成されたこの絵本。なのに読み進めていくうちになぜか盛り上がっていく内容は理屈抜きに楽しい!あかちゃんの初めて発する言葉の中でもなぜか多いのが「わんわん」や「にゃーにゃー」などの鳴き声です。きちんと話出す前から大いに楽しめ、喜んでくれるのではないでしょうか。その場も賑やかに盛り上がります。
谷川俊太郎が作家や画家と組んで創る赤ちゃん絵本のこのシリーズ、中でもとんがっているのが「じゃりおじさん」も人気の画家大竹伸郎と組んだこの「んぐまーま」。タイトルからして一筋縄でいかない事を物語っていますね。それでもとびっきり不思議で変なこの言葉を作家の器量の大きさで芸術的に見事に表現されています。繰り返し読んでこの世界を堪能してください。くせになりそう?それにしてもあかちゃんからこんな絵本に触れ合えるなんてうらやましい。
五味太郎さんの絵本は、ことばで遊んでいるのが伝わってきてとても楽しい。この絵本は「ぽぽぽぽぽ・・」だけでストーリーが進んでいきます。途中で「・・・ぴ」となったり「と」に変わったりそれだけでもリズムが変わって思わず笑ってしまいます。最初は音だけで楽しんで、絵を見ながら、それからお話を追って・・・だんだん理解していく過程もまたうれしい。他に「ははははは」「ぬぬぬぬぬ」など全部で10冊も!何がでてくるのかは見てのお楽しみ。
赤ちゃんは言葉を話せなくてもお話はしたい!欲求はあるのですね。「あー」だとか「うー」だとか不思議な言葉をたくさん発します。この絵本は粘土でつくったふにゃっとした大きな顔とその表情から出てくるような「だっだぁー」「べっれー」などの擬音語がのせられています。直接赤ちゃんの感性に働きかけるような絵本です。赤ちゃん語の解読にも一役買うかも?
子供達に大人気の元永定正さんが描くことば絵本。この「カニツンツン」もなにそれ?という不思議な響きの言葉と形がたくさん出てきます。この絵本の面白さは、実際にある様々な民族の言葉と創作の言葉を並べて創られているということ。こんな面白い響きの言葉が存在しているなんて、後ろの解説を見ているとますます興味が湧いてきます。勿論小さな子にも大受け、カニツンツンが、ばんっと大きく出てくる場面が人気のようです。
こちらも元永さんの絵本ですが、組んでいるのはジャズピアニストの山下洋輔さん。ジャズの様に自由に音楽をことばで表現するとこんな感じ?一見「もこもこもこ」や「がちゃがちゃどんどん」などと似ているようですが、こちらはこちらでまた違う。その違いが本当に面白い!とってもリズムがいいのです。出てくる言葉も音楽家ならでは、歌うようにすんなり読める。この不思議な変言葉を2才の息子がどこで読んだのかふと口ずさんでいるのを聞いてびっくり!!一気に興味が湧いてきました。
赤ちゃんの視覚や感覚などをしっかり観察しながら形や色に絞った実験的な赤ちゃん絵本をたくさんつくっているデザイナーの駒形克己さん。この洗練された形と色で「ごぶごぶ」「ぷぷぷぷ」などの音を表現するとどんな感じ?とっても魅力的な動きをする楽しい画面が出来上がりました。穴が開いていたり、大きさがぱっと変わったり、響きの良い音だったり、実際に見せれば解る赤ちゃんがよく反応する優しい絵本なのです。
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