(1) 特集1・・・ 新装復刊!「ゆかいなゆかいなおはなし」シリーズ
絵本から童話へ・・・。子ども達に素晴らしき本の世界を知ってもらうために、この時期の本にとっては「面白さ」が
とても重要!そんな条件をクリアしているのが「ゆかいなゆかいなおはなし」シリーズです。
どんな内容なのでしょう?このシリーズを出版されている大日本図書さんにご協力頂いてご紹介します!
◆新装復刊にあたって─「また読みたい!」「子どもに読ませたい!」の声が寄せられて・・・
このシリーズはどのような思いで創刊されたのでしょう。また、復刊されるきっかけなどはあったのでしょうか。
大日本図書さんからの言葉をご紹介します。
「ゆかいな ゆかいな おはなし」は、大日本図書にて1970年代にスタートした翻訳読み物のシリーズです。児童文学に造詣が深く、翻訳家としても著名な光吉夏弥さんと大日本図書が、「子どもたちに良質な読み物を届けよう」と企画。光吉夏弥さんの蔵書から、時間をかけて選書しました。
厳選された作品は、いずれもユーモアに富み、家族や友人への愛情にあふれ、子どもの想像をどこまでも広げるものでした。日本語の翻訳は光吉夏弥さんご自身が手がけられ、原書の世界をそこなうことなく、しかし時には「日本の子どもたちの耳にはいりいいように、自由な文体で(光吉夏弥さん談)」訳されました。
発売から約40年。シリーズのうち品切れとなったタイトルもありますが、その間、学校の先生や図書館司書、子どものころに読まれた方などから、「もう一度読みたい」「子どもたちに読んでほしい」という声をいただいておりました。そして2010年、大日本図書は 創立120周年を迎えます。読者のみなさまへの感謝の気持ちをこめて、この機会に新装復刊という形で10点を刊行することとしました。
絵本から読み物へ、子どもたちの読書の楽しさをいっそう大きくするために、「ゆかいな ゆかいな おはなし」シリーズをもう一度お届けしたいと思います。
◆光吉夏弥(みつよしなつや)さんってどんな方?
光吉夏弥─子どものことを考えた本との関わり
1904年─1988年。慶応大学在学中から舞踊の評論などを手がけ、卒業後、東京日日新聞の舞踊と写真の批評の担当するようになった。その後、大阪毎日新聞社に入社。新聞社勤務時代から、洋書を蒐集しはじめる。その間に子どもの本と出会い、翻訳・評論を本格的に手がけるようになった。1953年には、石井桃子氏とともに「岩波の子どもの本」企画編集に携わり、以降も編集、翻訳、批評と、多くの面から子どもの本に関わり続けた。海外の絵本や読み物を翻訳するにあたっては、常に、日本の子どもたちに届けるべきものは何か、ということを考えていた。「ゆかいな
ゆかいな おはなし」シリーズのほかに、『はなのすきなうし』『ひとまねこざるシリーズ』(以上、岩波書店)『おばけのジョージー』(福音館書店)『ちびくろ・さんぼ』(瑞雲舎)『おおきいツリーちいさいツリー』『めいたんていネートシリーズ』(以上、大日本図書)などの翻訳作品がある。
◆読者の声が企画を後押ししてくれました!―編集担当の方にお話を伺いました!
シリーズ復刊の実現の為に奮闘された大日本図書の編集担当の方に、復刊までの道のりやその熱い想いなどを伺いました。
「絵本ナビとの縁を感じた」お話など、嬉しいコメントもありますよ!!
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―― 「ゆかいなゆかいなおはなし」シリーズを復刊されようと思われたきっかけはあるのでしょうか?
このシリーズは長く品切れていたのですが、どの作品を読んでもすばらしく、訳も光吉夏弥さんということで、どうしてももう一度世に出したかったんです。でも企画書にはその裏付けが必要で、図書館の司書の方や書店員の方など、いろいろな方に「このシリーズ、必要ですよね!」と聞いてまわったんです。そうしたら「幼年童話はぜったい必要。いまは絵本はたくさんあるけど、幼年童話が少ない。子どもたちが絵本の次の段階に読むものがもっとあるべき」というご意見があったので、「やっぱりこの企画はありだ!」と思ったんです。そして「もしかして絵本ナビでレビューがあったりして・・・」と思って調べたら、すばらしいレビューがありました。嬉しくなって「よし、読者のリアルな声こそ企画書に必要!」とプレゼンのときに使わせていただきました。おかげさまで企画が通り、発行にこぎつけることができました。絵本ナビさんとこの新装版のシリーズは、発行前からご縁があるんだ、と私はずっと思っています(笑)
―― 絵本ナビメンバーの声が後押しとなったのですね!嬉しい限りです。
余談ですが、この春に5点を新装復刊してしばらくしてから、復刊前に旧版のシリーズを読んで絵本ナビにレビューを書かれていた方が、お祝いのメッセージをくださったんです。このときは本当に嬉しかった!「ああ、復刊して本当によかった」って。それに、図書館の司書の方が電話でご注文をくださったとき「復刊、本当によかったです。ずっと待ってたんです」と言ってくださったのも嬉しかったです。そんなふうに読者の声を聞くことはなかなかないですから。それに、出版社としても大切な財産をダメにしないでよかったとも思っています。
―― それから復刊に向けて実際に制作がスタートしたのですね。
復刊するにあたっては、原書(海外で発行された状態の書籍)を探すことからはじめました。そうしたら、日本語のシリーズよりも大きなサイズで、どうみても絵本! という原書などもありました。正直ビックリしましたが、復刊のときには、カバーを新しくはするけれどあとは旧版のままで、と決めていたので、カバーデザインの変更に力を入れたんですが、原書の絵本のつくりがとてもすてきで、いっしょに編集作業をしたもう一人の担当者と、「絵本にしてもいいかもねえ……」と話したりしてました(笑)
カバーのデザインは、コンペを行いました。同じ条件でサンプルデザインを出していただき、最終的には二人の方にお願いすることに。デザイナーの方に強くお願いしたのは「昔の雰囲気をこわさず、でも今っぽく」なんだかよくわからないですよね。デザイナーさんも口には出されませんでしたけど「そんなムチャな……」と思っただろうなあ、と(笑)でも、いまのカバーは評判がいいんですよ。旧版といちばん違っているのは背のデザインですが「よくなりましたね」と、書店の方などは言ってくださいます。無理を聞いてくださったデザイナーさんのおかげです!
―― 新装版シリーズが全巻揃うのはいつになりますか?
この10月〜12月で、あと5点を新装復刊して、ぜんぶで10点のシリーズになります。企画書をつくって、新装版のデザインを決めて、1点1点をつくりあげて・・・。もうすぐそれもおしまいになるかと思うと、ちょっと寂しい気もします。でもあとは、できるだけ多くのみなさんに読んでもらえることを信じて、そしてその声が聞けるといいなあ、と喜びをそちらに見いだしたいと思います!
―― ありがとうございました!
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お祝いのメッセージを・・・というのはあのメンバーの方かな?
皆さんも絵本紹介ページをご覧になってみればわかるかもしれませんね。
こんな風に、皆さんから寄せられたレビューが実際に復刊実現への力となっていると感じるのは大きな喜びです!
↓素敵な原書もご紹介します!新装版の装丁も雰囲気はほぼそのままですね。
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「りすのスージー」
原書版。
ローベルの愛らしい
絵がなんといっても
魅力的。 |
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「すずめのくつした」
原書版。
細かくて繊細な
絵の雰囲気を
そのまま再現して
います。 |
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「わたしのおかあさんは世界一びじん」
原書版。
とってもカラフルで
コレクションしたく
なるような装丁
です! |
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「おとこの子とおもっていた犬」
原書版。
絵も内容もとっても
ユニーク!
確かに絵本の形
でも読んでみたく
なりますね。 |
◆作品の内容をご紹介します!
色々な方の熱い想いのこもったこの復刊シリーズ。どんな内容のお話か気になりますよね。
既に発売されている第1期5点を皆さんからの声とともにご紹介していきます。
★面白いお話に出てくる王さまはなぜかみんなワガママ!?
「暑い日には、できるだけ冷たいクリームをたべたい!」気むずかしい王様のために、
コック長はむすめたちの知恵をかりて、冷た〜いアイスクリームをつくろうとしますが・・・。

今は、冷凍庫さえあければ、手軽のアイスクリームが食べれる時代だけれど...
冷凍庫なんてものがまだなかった時代。冷たいものを食べるということはとてもとても難しいものでした。でも、気難しい王さまは、何がなんでも、冷たいクリームが食べたかった!家来やコック、コックの娘たち、氷を山から運んできた少年・・・アイスクリームというものが世に存在するようになるまでに、いろんな人の試行錯誤があったのね、っていうのがよくわかる。子どもが大好きな「アイスクリーム」が題材っていうのもとっつきやすくていいよね。
(たかくんママさん 30代・ママ・広島県広島市 女11歳、男8歳)
★「すずめがくつしたをはく」姿を想像するだけでドキドキ!
アンガスの家の靴下は、冬になってもさっぱり売れませんでした。
ある日、すずめに作ってあげたおしゃれな靴下が大評判となり、アンガスの家族ははりきりますが…。

幼年童話です。 一人読み用にお薦めしたい作品です。
アンガスの親切が、大きな宣伝力になりハッピーエンドへと繋がっていきます。
挿絵も赤と黒の二色刷りですが、とても魅力的です。
すずめが靴下をはいた姿がなんともいえず可愛らしくって、あたたかい気持ちになります。
幼いアンガスの優しい気持ちが、家族を救うストーリーが、こどもたちをきっと惹き付けるのだと思います。
(アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県青森市 男11歳)
★わにも歯医者さんがこわいの?
眠れないほど歯が痛くなり、歯科医がこわいワニのアリはとうとう
動物園から病院に行くことになりました。ところが、途中でおとこの子に会って…。

わにがバスにのって、はいしゃさんに行くからびっくりしました。
はいしゃさんにいきたくないからって、ちがったバスにのるのがおもしろかったです。はいしゃさんがこわいのかな。
ぼうやが、わにがおへやにいるからってママにいうけど、ママがすぐに見に行かないからどうしてかなって思いました。
ぼくだったら、お母さんに言ってすぐに見に行ってもらいます。きてくれなくてもうるさく言って来てもらうと思います。
アリがすぐにかもうかなって言うからドキドキしました。
おもしろかったです。
(はなびや2さん 10代以下・その他の方・愛知県)
★小さい子がいかに大活躍するか。このテーマはいつでも一番面白い!
リトルリーグでいちばんチビのハロルドは、いつもベンチをあたためているだけ。
でも、シーズン最終戦で、ピンチヒッターとしてバッターボックスに立つと…!

今は小さくて試合にでられなくても、いつかはきっとと野球少年なら誰しも同じ願いを持ちながら練習にはげみそうですね。
コーチのロンバルトさんもハロルドの気持ちをくみとってはげましてくれるという優しい人であるのも好印象でした。
シド・ホフという作家の作品には「ナガナガくん」というのもあるというのを教えてもらったところなので、こちらも読んでみたいと思いました。
野球大好き、始めたばかりで頑張っているお子さんには勧めてあげたい本です。
もちろん、幼年童話として、字も大きく、絵もふんだんにあり、読み応えもあり、さらに光吉夏弥さん訳ということで、読んでいただきたいなあと思います。
(はなびやさん 40代・ママ・愛知県 男7歳)
★アーノルド・ロベル(ローベル)が描くリスの絵はこのスージーのシリーズだけ!
乱暴者のあかりすたちに、リスのスージーは家をとられてしまいます。
こまったスージーは人形の家を見つけ、おもちゃの兵隊たちと暮らしはじめますが…。

スージーのいえが、あかりすにとれちゃうから、かわいそうでした。あかりすってなに?と思いました。いじわるそうなかおでした。
スージーのたべものをたべちゃうし、いえもきたなくするからひどいです。
いえをとられたら、こまります。
スージーのいえが見つかってよかったと思いました。
おもちゃのへいたいのせわをしてあげるからやさしいと思いました。
さいごは、よかったと思いました。ぼくもじぶんのうちがいいです。
(はなびや2さん 10代以下・その他の方・愛知県)
★化粧箱入り!5冊セットはプレゼントにもおすすめです。
◆発売前の第2期5冊のラインナップをひとあしお先にご紹介します!
今年の10〜12月に第2期として新装版シリーズ5冊が発売され、全巻揃う予定なのだそうです。
ひとあしお先にそのラインナップをご紹介します!
新装版は発売前ですが、絵本ナビには旧版へのレビューも寄せられています。そちらもご覧になってみてくださいね。
※リンク先はそれぞれ旧版となっています。購入は発売までもう少しお待ちください。
このシリーズへの熱い想いのこもったレビューをご紹介します!

ゆかいなゆかいなおはなしシリーズ、これで19冊目だと思います。
今回は北欧の民話でした。「しごとをとりかえたおやじさん」という題名のものもありますね。
途中でぶたが死んでしまうところで息子と共にびっくりです。他の本でもそうだったのかな?またいろいろと読み比べてみたいと思いました。
お母さんの溜飲が下がるお話です。人の仕事についてあれこれ言うのはくれぐれもやめたいものです。
光吉さん、このシリーズでは昔話は二作品のようですが、昔話にも造詣が深かったようですね。
シリーズを読み進んで、もう読む本がなくなってきたのがさびしい限りです。
もう一度読み返してみたいと思っています。
このシリーズ、夏休みの低学年向けの読書としてもお勧めですよ。
子どもの頃に、良い本に出会っておくと、選書眼が磨かれると思います。実は、最近気がついたのですが、私が最初に買ってもらった本が光吉夏弥さんでした。
三つ子の魂ではないけれど、子ども時代に何を読むかが、大人になってからの読書傾向を左右すると思っています。ぜひこのシリーズ、お子さんと共に読んでいただきたいです。
そして、ご家族で読んで話し合ってみるとおもしろいと思います。
(はなびやさん 40代・ママ・愛知県 男7歳)
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「ともだちができちゃった!」
新しい家にひっこすことが
決まったベニー。でも、ベニーは
ちっとも嬉しそうじゃありません。
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「おとこの子とおもっていた犬」
誕生日にもらった犬ラルフは、
飼われていた間に、自分はおとこの子
だと思い込んでしまいました。
家族は犬であることを教えようと
しますが・・・。
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「なんでもふたつさん」
なんでも二つ持たないと
気がすまない「なんでもふたつ」さん。
帽子も、上着も、家も、仕事も二つ。
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「わたしのおかあさんは世界一びじん」
畑で眠ってしまい、迷子になった
ワーリャ。村中からすべての女の人が
集められて、ワーリャのためにみんなで
お母さんさがしをはじめますが・・・。
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(2) 特集2・・・ 他にも小学校低学年の子におすすめの本を集めました。

その他「幼年童話特集」作品一覧はこちら >>>

その他「幼年童話(海外編)特集」作品一覧はこちら
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(3) 絵本クイズ・・・クイズに答えてポイントゲット!!
前回は、バーバパパの絵本シリーズより『バーバパパたびにでる』からの出題でした。
バーバパパとママの子ども達は・・・
・・・Bの卵を土の中に埋めたら生まれてきた!でした。
さぁ、今週の問題です。
今週は、特集「幼年童話」の中の『ごきげんなすてご』から出題します。
正解者の中から抽選で
1名様に絵本ナビポイント500ポイントプレゼント
20名様に絵本ナビポイント50ポイントプレゼント
しちゃいます!!
【問題】 (難易度★★☆☆☆
)
「あたしはすてごになる。」そう言って家出をした女の子が「すてご仲間」の犬やねこ、かめといっしょに大活躍する!
・・・という人気の幼年童話『ごきげんなすてご』。
でも、どうして「すてご」になんかなりたかったのでしょう?
前回のクイズのポイント獲得当選者はこちらの方々です。
☆1等(1名様)☆ 500ポイント進呈
「ベンジー」さん
☆2等(20名様)☆ 50ポイント進呈
「☆ゆうはるママ☆」さん、「OKA」さん、「yutari」さん、「うつぼっち」さん、
「カボチャンママ」さん、「くまひょい」さん、「ケイチッチリン」さん、「さくらんぼ♪」さん、
「しいら☆」さん、「じんぼんゆいぼん」さん、「タンタン♪」さん、「ドレミ♪」さん、
「にょろきょろ」さん、「ネコうさぎ猫」さん、「ひかりひまわに」さん、「ヒロコサン」さん、
「ぷぷんち」さん、「ゆうゆう7」さん、「ゆっぴぃ21」さん、「心の音」さん
また次回もお楽しみに!
(4) 編集後記
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