(1) 特集1・・・石津ちひろさんが手がけられた魅力的な翻訳作品とは?
まず、石津ちひろさんが最近手がけられたそれぞれ個性的な翻訳絵本3作品。
身近な人の「死」がテーマの『かわいいことりさん』、こどもの繊細な気持ちが伝わってくる
『サラちゃんとおおきなあかいバス』、とびっきりユニークなおばけ絵本『おばけやしきにおひっこし』の
みどころからご紹介します。一体どんな内容なのでしょう?
◆「いつか、とりになってもどってくるから」・・・鳥を愛するプリュームさんと、その愛する奥さんのお話です。

プリュームさんの仕事は鳥を観察すること、奥さんのマドレーヌさんは鳥のさえずりが大好き。そして、そんな二人のところに毎週遊びに来るのが孫のチェリーちゃん。三人は、家の前に立つ大きなサクランボの木にやってくるたくさんの鳥達と、思い思いに楽しい時間を過ごすのです。特に奥さんの事を‘“かわいいことりさん”
と呼ぶプリュームさんの幸せそうな事といったら!
ところがそんな三人に思いもよらない出来事が起こるのです。マドレーヌさんが病気で亡くなってしまうのです。
悲しみに沈んでしまったプリュームさんですが、ある時、マドレーヌさんが最後に言っていた言葉を思い出します。
「しんぱいしないで。わたし、いつか、とりになって もどってくるから。」
プリュームさんはやがて、窓辺にやってきた小鳥に誘われるように外へ出て・・・。
この絵本は、誰の身にも起こり得る「身近な人の死」というテーマをあつかっています。作者がそれぞれの登場人物を優しく丁寧に描き、その悲しみを理解しながらも、明るく美しい色彩で淡々と語っていきます。だからでしょうか、読み終わった後に浮かび上がってくるのは、三人が鳥を通して過ごした幸せな時間の確かな存在なのです。難しいことは何も書いてありません、子どもから大人まで楽しめます。そして、読んだ人の心の中に何かを残してくれるに違いありません。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
◆小さな女の子サラちゃんと、大きな赤いバスの関係は?

学校帰りのバスに乗る子ども達の中で、一番のおちびさんが、この物語の主人公のサラちゃんです。サラちゃんは、このバスがちょっぴり苦手。一緒に乗るお姉ちゃんはすぐに友達の所に行ってしまうし、一番前の特等席は誰かが先にすわってしまうし、おまけにとっても騒がしい。
ある日、お姉ちゃんが風邪でお休みして、サラちゃんは一人でバスに乗って帰ることになりました。ところが日差しがあまりに暖かく、ついうとうとしたサラちゃんは・・・?
不安、緊張、小さな優越感。子どもの繊細な心の動きを、優しい言葉と可愛らしい絵で描き出しているのがこの作品。とても身近な存在である赤いバスが、とても大きく見えたり、親しげに見えたり。ちょっと怖かったり、憧れたり。そうそう、そんな風にちょっとした出来事で、見えてくる風景も全然変わってしまうのが子どもの目線なんですよね。読んでいるうちに、かつての自分を思い出したりしてしまうのです。こんな、子どもの気持ちに寄りそっている絵本こそ、今の子ども達を優しく応援してくれるのではないでしょうか。
ちなみに、ぐっすり眠ってしまうサラちゃんのまんまる顔の可愛さは必見ですよ!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
◆こんなおばけのあつかい方、見たことない!?

パッと目をひくオレンジと黒の表紙がとっても印象的!そして可愛い女の子と、何とも愛嬌のあるおばけの姿に興味津々でページをめくっていくと・・・。目に飛び込んでくるのは、おばけ屋敷に引っ越してきたマージョリィと猫のオスカーが、住んでいたおばけを次々とつかまえて「かわいい。」なんて言っている姿。そう、マージョリィはただの女の子じゃないんです。もう、その軽快なおばけの扱いっぷり(?)にほれぼれしてしまうくらいなんです。更に、そのつかまえたおばけを何と!?ここから先は読んで確かめてみてね。おばけの絵本としては、とても斬新な内容なんですよ。
版画で表現された、その独特な絵の世界にも引き込まれます。二色ながら、動きや奥行きが感じられ、次々と進んでいく話の展開を盛り上げてくれます。そこに、更に画面の上をおばけが自由に動きまわっています。可愛いだけでないこの面白さ。年齢を問わずファンが増える事は間違いなさそうですね。日本出身、イギリスで活躍されているカズノ・コハラさんの今後の作品もとっても気になります。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
更に12月上旬これから発売されるのが『おばけやしきにおひっこし』の作者カズノ・コハラさんの新作『ふゆのようせい ジャック・フロスト』です。とても冬らしく美しい作品です。
◆翻訳者石津ちひろさんにインタビューしました!
今回は、ピックアップした作品を出版されている光村教育図書さんのご協力で、石津ちひろさんへのインタビューが実現いたしました!
それぞれの作品の魅力を、翻訳された石津ちひろさんの目線からたっぷり語って頂いています。
(とっても贅沢な企画ですよね。)
更に翻訳作業についてのお話や、絵本作家としての石津さん、絵本ナビ読者に向けてのメッセージなど、他ではなかなか聞けない貴重なお話もお伺いしています。
石津ちひろさんの魅力が詰まったインタビュー記事、どうぞお楽しみください。

石津ちひろさんへのインタビュー記事はこちら
インタビュー記事は、こんな内容になっています。
●特別な一冊『かわいいことりさん』
●子どもの心に寄りそうお話『サラちゃんとおおきなあかいバス』
●娘さんもお気に入り!「おばけやしきにおひっこし」
●絵本作家石津ちひろさんについてお伺いしました!
◆直筆サイン本の販売です!
★今回の特集を記念しまして、ご紹介した4作品に石津ちひろさんが直筆サインを書いてくださいました!
それぞれ数量限定商品です。気になった作品がありましたらお早めの購入をおすすめします。
(2) 特集2・・・石津ちひろさん絵本の世界
思わず読んでみたくなる石津ちひろさんの絵本の世界をご紹介します。
言葉遊び絵本、絵本作品、翻訳絵本まで!
どの作品も、組まれている画家さんが大いに魅力を発揮しているのもみどころの一つなのではないでしょうか。
◆本領発揮!「ことば遊び絵本」の世界
◆長谷川義史さんと組まれたこの作品で使われているのは「折句(おりく)」
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「おばけのもり」
折句とは?例えばこんな感じ。
たべると こんなに やさしい きもち (たこやき)
更に各ページには長谷川さんが仕込んだ遊びがいっぱい!
底抜けに明るいことば遊び絵本です。 |
◆長新太さんとのコンビでとびっきり「へんてこ」なかるたです。
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「へんてこかるた」
・てんしの やきいも おいしそう
・ルビーが きゅうに いえでする
・いぬが にゃーにゃー なきだした
へんてこです!長さんの絵は更にへんてこです。 |
◆絵本作品も素敵なのです。
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「あしたうちにねこがくるの」
猫が大好き、石津さんならではの発想が魅力的。
「あしたうちにねこがくるの。いったいどんなねこかしら?かわいいねこだといいなあ。」
どんどん広がる想像をささめやさんが絵にしてくれていて、これが面白くてたまらない! |
★他にも個性的な内容ばかり!
◆人気の絵本翻訳作品
(3) 絵本クイズ・・・クイズに答えてポイントゲット!!
前回は、人気のクリスマス絵本『よるくまクリスマスのまえのよる』からの出題でした。
ぼくが心配なこととは・・・
・・・Aのぼくがわるい子だからサンタさんが来てくれないかもしれない!でした。
さぁ、今週の問題です。
今週も、クリスマスの絵本の中かより石津ちひろさん翻訳作品『リサとガスパールのクリスマス』から出題します。
正解者の中から抽選で
1名様に絵本ナビポイント500ポイントプレゼント
20名様に絵本ナビポイント50ポイントプレゼント
しちゃいます!!
【問題】 (難易度★★☆☆☆
)
もうすぐクリスマス。リサとガスパールは、大好きな先生にプレゼントをおくろうと考えます。
そこで二人が持ち出したのは、何と家のシャワーカーテン!一体何をつくろうとしているのでしょう?
前回のクイズのポイント獲得当選者はこちらの方々です。
☆1等(1名様)☆
500ポイント進呈
「くるみぼたん」さん
☆2等(20名様)☆
50ポイント進呈
「(ゆ)」さん、「OKA」さん、「うさぎいぬ」さん、「ウッドスリー」さん、
「おうるママ」さん、「ガーフィールド」さん、「かぶみか」さん、「キャラ」さん、
「ススワタリ」さん、「だんだんさりや」さん、「ちー獣」さん、「にょろきょろ」さん、
「ぬぬちゃん」さん、「ネコうさぎ猫」さん、「のいちごパイ」さん、「はぐみママ」さん、
「ヒナセ」さん、「りんまま@」さん、「豆たろう」さん、「氷魚」さん
また次回もお楽しみに!
(4) 編集後記
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