“きつねの こは、はしの いたの うえに、こわごわ あしを のせました。あしもとがゆうらり ゆれました。 「ひとつ、ふたつ、みっつ……。」 みっつ あるいた ところで いたの すきまから、あおく すんだ かわの みずが みえました。とたんに あしが すくみ、まえへ すすめなく なりました。”
谷川にかかる細いつり橋。ある日、きつねの男の子のこんすけは、友だちのくまの子とうさぎの子といっしょに、橋のたもとに遊びにきました。おそるおそるむこう側をのぞき込んでいた3匹は、橋をわたって来たいのししのおじさんから、反対側にはきつねの女の子が住んでいると聞きます。その子と遊びたい一心で、こんすけは翌朝からひとり、つり橋をわたる練習をはじめます。 はじめての朝は3歩。次の朝は5歩。そのまた次の朝は6歩……。朝早く、まだ誰も通らない時間にやってきては、毎日少しずつ、昨日よりも遠くへと進んでゆきます。
おそるおそる、でも着実に、まだ見ぬ新しい世界へと踏み出していくようすが、かわいらしくもたのもしいお話です。このくらいの年頃の子どもたちにとってはこんなちょっとしたことが大冒険。みんなにはないしょのところがワクワクドキドキ感を高めてくれます。すべてのページにつちだよしはるさんのほんわかあたたかい絵が添えられていて、風がふいてつり橋がゆれると、こんすけといっしょにどきっとしたり、足がすくんだり。まだ見ぬ世界への好奇心とおそれの間でゆれる気持ちが伝わってきて、応援する手にも思わず力がこもります。
さあ、こんすけはきつねの女の子と会えるのでしょうか?
(三木文 絵本ナビライター)
つりばしのむこうにきつねの女の子がいることを聞いて、きつねの男の子は、つりばしをわたる練習をはじめました…。
親子で涙してしまいそうな名作。
大人にとっても、安定性の無い細いつり橋は身の毛もよだつ怖いモノですよね(>_<)
今回のお話は、その怖いゆらゆら揺れるつり橋を渡った先に、こんすけと同じきつねの女の子が居る事を知り、どうしてもその子に逢いたくて、毎日毎日、1歩、又1歩とつり橋を渡る練習をするのですが、こんすけのまだ見ぬ女の子への思いが、こんすけの微笑ましい行動や言葉から胸を打たれる作品でございました(o^_^o)
大人になったら渡れるようになると思われるつり橋ですが、こんすけの「ぼく、おおきくなった きつねの こより、ちいさい きつねの こと あそびたいな。いまの ぼくくらいの・・・・・・。」という言葉と「また いつか あそぼ。」という言葉が、胸に支え(>_<)
こんすけに、つり橋を渡らせてあげて欲しいと熱望し、次作品に大いに期待を膨らませる切なくも優しい素晴らしい作品です。
親子で涙してしまいそうなお薦めの1冊です♪ (梨華さん 30代・その他の方 )
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