
読み聞かせにピッタリ! 赤羽末吉の伸びやかな絵が魅力の最強絵本。
『思い出のマーニー』の訳者として有名な松野正子の文に、『スーホの白い馬』や『おへそがえるごん』など多くの名作を残した赤羽末吉が絵を描いた贅沢な絵本が、この『なきたろう』。 赤羽末吉の全盛期に描かれた、その勢いのある絵は、今江祥智氏も絶賛していたと言います。
この絵本の主人公「なきたろう」は異常な泣き虫で、流す涙で稲まで枯らしてしまい、村の人々も両親もほとほと困り果ててしまいます。 「なきたろう」も泣かないようになりたいと思ってはいるのですが、そう思うだけでまた泣けてきてしまう始末。 ところが、ある日不思議な出会いから、「なきたろう」は生まれて初めて泣くことをガマンできました。
出会いによって自分以外の他者をはじめて気づかうことができた「なきたろう」。 「なきたろう」の心の成長を、民話調の語り口で綴った創作絵本。 泣き虫クン、泣き虫ちゃんに読んで聞かせてあげたい素敵な絵本です。

なきたろうのせいちょう
なきたろうは、怖くても泣き、うれしくても泣き、困ってもお腹がすいても大泣きする子どもでした。
なきたろうにとって泣くことが、唯一の感情表現だったのです。
声の大きさに困り果て、涙の塩分で田畑に塩害が起きることに困り果て、なきたろうは強くなれと村から旅に出されました。
でも、なきたろうは自分で成長できたのです。
それは、一つは優しさでした。
水の小人たちの村を守るためには、自分が泣いてはいけないという使命感でした。
もう一つは、堪えるという忍耐力でした。
なきたろうは泣くのを我慢できるほどに成長していたのです。
めでたしめでたしのお話ではあります。
やさしさや忍耐力が強さに勝るという教えのように思いました。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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