「とろ とっと とろ とっと トロッコでんしゃが やってきます」
走ってくる一台のトロッコ電車。
「のりますよ。のりますよ。こどもも こぞうも のりますよ」 「どうぞ どうぞ。どなたも どうぞの でんしゃです」
駅で子どもたちが乗りこみます。それに混ざって、子象? そうです、だって子象は「こぞう」だから。
随所にことばあそびを散りばめながら、トロッコ電車は、「とろ とっと とろ とっと」と進んでいきます。
子どもたちに動物、虫やおばけなど、たくさんのお客さんを乗せて、さまざまな場所をまわります。
最後のお客さんは「いちどでいいから のりものに のりたかったんだ」という、あの人(物?)。
『ようちえんがばけますよ』『おでんさむらい』などで子どもたちの心をつかんできた内田麟太郎、西村繁男のコンビが、ナンセンスで不思議な世界を生み出します。
どんどん変わっていく景色や、乗ってくるユニークな乗客たちを楽しむのもよし。ことばあそびでくすりとするのもよし。
乗客一人ひとりの様子をじっくり見て、「あのお客さんははいまどうしているかな?」「あ、あの乗客がこうなった」と、発見を楽しむのもよし。
たくさんの楽しみ方ができる、あそび心に溢れた一冊です。
あー、楽しかった。
ナビで内田麟太郎さんと西村繁男さんのインタビューを読んで、すっごく読みたくなって捜してきました。
すべてが、5・7・5じゃないけど、言葉のリズムも響きが良くて、おまけにダジャレもあちこち飛び出してきて、読み終わった時、「あー、楽しかった」と、思いました。
字も絵もはっきりしていて遠目がききます。細かく描いているところもありますが、そういうところは、読み聞かせで読んでもらった後に、ひとり読みでこっそり見つける楽しみになります。
一度絵本の真ん中あたりで、「遊園地の乗り物だったのかな?}と思えるような描写の部分がありました。
遊園地の遊具であってもいいし、どこか田舎のトロッコ電車に乗っていると想像してもいいですね。
電車が下っていくとき、子どもたちや茶わんむしは喜んでいるのに、おばけたちが悲鳴を上げているのも笑えました。
また、「もりの仲間」が乗るところで、ご飯のおおもりさんが乗ってくるところは吹き出しちゃいました。
きっと、この絵本に出会った子どもたち(大人も)は絵本を読み終えた時、「あー、楽しかった」と、思ってくれると思います。 (てんぐざるさん 50代・ママ 女の子23歳、女の子19歳)
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