「あるひ ごろうは しょうがっこうを やめた」
そう、やめちゃうのです。ふらーっと。 そして、何をするかと言えばお店を開きます。 ごろうはまだ子ども。何も売るものがないかと思えば…… なんとマジックで落書きをした「〇」が売れちゃった!!
「わあ おもしろい」「いいね」
怒られると思ったのに、大繁盛。 どんなにかいても、どんどん売れちゃう。 もっと、もっと。もっと、もっと。 夢中でかいていると、今度は「△」に。どういうことかというと……!?
ちょっと変わった子、嫌われそうな子を主人公にしていく絵本「こんな子きらいかな?」シリーズの第3弾として登場したのが、「ごろう」。
ごろうの行動は、同じ教室にいるお友だちから見たらきっと「謎」。みんなが最近見ないなあ、学校に来ないなあ、なんて思っている頃、ごろうは何かに無我夢中。まわりの声なんて聞こえないほど没頭しているのです。例えそれを見て大人が大絶賛していたとしても、酔狂な人が大騒ぎしていたとしても、です。そして、またふらりと戻ってきたりするのです。
どうしてかといえば、「やりつくした」から。ごろうがすごいのはそこです。もう何も出てこないくらいにやりつくす。そして、次に思いついたことをまたやって、やりつくす。それを繰り返しているだけなのかもしれません。でも、なかなか出来ることではありません。もし、それがごろうの「普通」だとしたら。誰も彼の「発想」についていけないのは当然なのかもしれませんよね。
この絵本には「こうしてほしい」「こうなってほしい」なんていう表現は一切でてきません。「こんな子がいる」ってこと、そしてその子が「結構おもしろい」ってことをみせてくれます。
誰にも追いつけない「ごろうの世界」。その想像もつかない景色を、絵として見事に描き出してくれているのが「死後くん」。確かにこちらも名前からして普通ではないようですね……!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
ある日ごろうは学校をやめた。やめてお店をはじめた。〇とか△を描くだけのお店がまさかまさかの大繁盛!こんな子きらいかな?
不思議なおはなし
不思議な雰囲気のイラストに惹かれ、手に取りました。
はじめの「あるひ ごろうは しょうがっこうを やめた」という一文に度肝を抜かれ、どんどんと引き込まれました。やめてどうするのかと思ったら、商売を始め、それがまたうまくいってしまうのです。
最後まで読んでも、はてな?な感じではあるのですが、なんだか気になってまた最初から読みたくなりました。
(クッチーナママさん 40代・ママ 女の子19歳、女の子16歳、男の子14歳)
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