いちにち いっかい ぼくは なく。 どうしてだろう?
ころんでないた。ぶつけてないた。けんかしてないた。しかられてないた。うれしくてないた。おかあさんは・・・?
自分の中にもいろんな種類の「泣く」がある。 きっと、動物にも仲良しのあの子にも、まだ会ったことのない外国の子どもたちにも同じように「泣く」があるに違いない。そして大人たちにだって・・・。 「泣く」の尺度は人それぞれ違うってこと、「泣く」ことは悪いことじゃないんだ、大切な自分の感情表現の一つなんだって。それを知っているだけで、どれだけ子どもは救われるだろう。それを知っているだけで、どれだけ大人も楽になれるだろう。自分はなんで泣くんだろう。あの子はなんで泣いているんだろう。お母さんはなんで泣いているのに泣いていないって言うんだろう。 「泣く」を考えるだけでいろんなことが見えてくる。
中川ひろたかさんが私たちに問いかける「泣く」。 長新太さんのユーモアと哀愁を誘う鮮やかな絵が感情をゆさぶります。 子どもと一緒に声をだして読みたい1冊です。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
ぼくは、こどものころは、ひどいなきむしでしたが、 おとなになると、あんまりなけません。
ぼくは、こどものころのように、 まいにち、なけるようなひとになりたいのですが どうも、うまくいきません。
おとなになってわかったことだけど、 すぐになけるのって、すばらしいことなのね。 まいにちなけるなんて、かっこいいことなのよ。
ひとには、いろんな「なく」があって いろんな「なみだ」があります。 「なく」ことについて、すこしかんがえてみようかな。 中川ひろたか (本書帯より抜粋させて頂きました。)
子どもが喜ぶ絵本を次々と送り出している二人の最新作!読み聞かせにぴったり! 大人はどうして泣かないのかな? そんな子どもの素朴な疑問を描いた絵本!
泣くことを広い心で受け止めてあげたい
この本は、どちらかというと、子ども本人よりも、母である私自身が必要な本でした。
小さいときから長男が、「癇が強い」と一言でいっていいのかどうか、わかりませんが、よく大泣きをして、しかも一度激しく泣いたらなかなか泣き止まなくて、どう対処していいのか私自身、精神的に苦しかった時期がありました。
激しく泣く理由が私には理解できないことも多く、はじめは慰めたり共感しようとするけど、あまりにも長泣きだと、「なんで?」と理由を追求してしまったり、自分が責められているみたいに感じて怒れてきたり、そしてまたそんな自分に腹が立ったり…。
泣かせることに罪悪感があったかもしれません。知らず知らずになるべく泣かせないようにしていたかもしれません。
でもある日、そんなことが、少しずつ、本当に少しずつだけど確実に、その頻度と時間が減ってきているとふと感じた瞬間がありました。
「いちにちいっかいぼくはなく。どうしてだろう?」これを読んで「そう、そう」と」思いました。
大泣きもベソかきも合わせれば、小学校2年の今でも、必ず一日一回は泣いています。
それでも、だいぶ我慢もできるようになってるし、泣いても自分で気持ちを切り替えて泣きやむようになっています。少しずつの進歩でも、振り返れば、大きな成長です。
それは今までにたくさんたくさん「泣く」経験をしてきたかもしれません。泣くことで気持ちの整理がつけられるようになったのかもしれません。
泣くことにもいろんな子どもなりの理由がある、それを理解しようとはいえないけど、広い心でなるべく受け止めてあげたい、と決心させてくれました。
泣いたっていい。泣くのは当たり前。泣いて心も体も大きくなるんだと、今思えます。 (レースさん 30代・ママ 男の子8歳、男の子5歳)
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