そろそろおやすみの時間、チビウサギはデカウサギの耳につかまってベッドに向かいます。そこでチビウサギは聞いてみたくなったのです。
「どんなに、きみがすきだか あててごらん」
そんなのわからないよ、というデカウサギに向かって、チビウサギは腕を思いっきり伸ばして言います。
「こんなにさ」
すると、デカウサギは言います。
「ぼくは、こーんなにだよ」
確かにそれは、チビウサギよりずっと長いのです。チビウサギは精いっぱい背伸びをしてみたり、逆立ちをしてみたり、跳ね回ってみたり。「好き」という気持ちを体いっぱいに表現します。でも、デカウサギは背伸びをしても、ジャンプをしても、やっぱりチビウサギよりずっとすごいのです。だけど……!
小さな茶色ウサギと大きな茶色ウサギ。ふたりは親子でしょうか。友達でしょうか。それとも…。お互いを想う気持ちを競い合う、なんて純粋で濃密な時間なのでしょう。それを言葉にして、全身を使った表現で補い、さらに想像を巡らせて。そのまま疲れて眠りに落ちてしまったチビウサギにデカウサギはそっとささやくのです。「ぼくは、きみのこと……」
この絵本を繰り返し読んでもらうたびに味わう幸福感。子どもたちには、それをいつまでも忘れずにいてくれたら、こんなに嬉しいことはないですよね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
チビウサギはうでをい〜っぱいひろげ デカウサギにいった。 「きみのこと こんくらい すきだよ」 するとデカウサギは・・・・!?
言葉の代わりに
ほんとにほんとにあげたい人に
絶対いつかプレゼントしよう、
そう思って温めておいた絵本。
チビウサギは自分がどれだけ
デカウサギを好きだか、
自分のめいいっぱいで伝えようとします。
それに対抗してくるデカウサギ。
チビウサギは、体の大きいデカウサギに
どうしても勝てない。
チビウサギが必死になって
ぼくのほうがきみのことがすきだ!と
伝えようとしている姿が
本当にいとおしくてたまらないです。
もうすぐカナダに仕事に
行ってしまう友人にプレゼントをしました。
ほんとに大切だと、大好きだと
思っているのに、
うまく言葉じゃ表現しきれなくて
だけど伝えたくて、
そうだこの本をあげよう、と思って。
するとぽろぽろ涙を流してくれました
「こんなにストレートに気持ちを
伝えてもらえるなんて」と言って。
シンプルが一番であることに気が付きました。 (みみこめさん 20代・その他の方 )
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