お正月になれば、床の間に鎮座まします「かがみもち」。 二段になった、真っ白で大きなおもち。頭にはみかんとおめでたい扇子。 堂々として立派なものです。
でも、なんだか浮かない顔をしているみたい。 「かがみもち」にも悩みがあるのでしょうか。 いや、そもそもおもちに「きもち」なんてあるの?
…それが、あるみたいですよ!? 興味深いですよね。聞いてみることにしましょうか。
「もう たいへんなんです。」
何かといえば。 おもちつきでは頭をペッタンペッタンたたかれ、のしぼうでのばされ、プッチンとちぎられ。あんこやきなこや挙句にねばねば納豆に混ざられて。確かに散々です。「かがみもち」と呼ばれるようになった私は、今のところ大事にされておるようです。でも…
「いつ なんどき たべられる ことやら。ああ おそろしや。」
なるほど、ちょうどそんな気持ちが表情に表れていた訳ですね、納得です。 でも、ここで話は終わりませんよ。なんと「かがみもち」、床の間から逃げ出すことにするのです! 一体どこに? どうやって? なんのために…? もうここからは、想像の範囲を超えていく話です。驚きの展開が待っていますよ、お楽しみに。
年末年始の時期になると、おはなし会でも引っ張りだこになるこの絵本。子どもたちは大爆笑、スカッとした気持ちで新年を迎えられそうです。でも、食卓に出てくるおもちや飾られている「かがみもち」を見る目はガラっと変わってしまうかもしれませんね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
第27回講談社絵本新人賞受賞作 「もう、たいへんなんです」 お正月、“かがみもち”は、とある決心を……。 お年賀にどうぞ。(編集部より)
この発想、おもしろい!
すごいバカうけです。
おもち食べた〜い!たべる度に、思い出しそうな本です。
言葉、おもちの気持ちの言葉遣いが、おもしろい。
「あたまを たたかれて おりました。」
「プッチンと ちぎらされたり、さんざんです。」
「もう たいへんなんです。」
おりました。さんざんです。たいへんなんです。
語尾が、すごく印象に残りました。
おもちをついて、こもちになる兄弟の気持ち。
鏡餅の気持ち。
食べられるのが不安になり、飾られているおもちが、逃げ出しちゃいます。鏡餅がのびるんです。多分、出来立てでしょう。走ります。
走りすぎて、お腹がすき、自分の足を食べちゃう。
おいしい おいしいと。
食べているうちに硬くなってきて、足を食べてるから、円になっちゃう。お話です。
本当に面白いです。もちも、たたかれたら痛いだろうな。
でもたたいた方が柔らかくなるよなぁ。
すごい素敵な発想で、楽しかったですよ。 (NON×2さん 30代・ママ 男の子8歳、女の子5歳)
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