「みえる、みえる。 おにいちゃんがみえる。」
おへそのあなから外を覗いているのは、お母さんのお腹の中にいる赤ちゃん! 今はまだ生まれる前の、小さな小さな赤ちゃん。だから見える景色はさかさまです。
お兄ちゃんやお姉ちゃん、お母さんやお父さん。おばあちゃんおじいちゃんも、みんながそれぞれ心待ちにしている新しい家族。その様子をおへそのあなから見て、においをかいで、いろんな声を聴いて。そうして安心しながら「その日」を待つのです。
「さあ、おいでおいで。 生まれておいで。」
赤ちゃんが生まれるって、どういうこと? 新しい家族を迎えるってどんな感じ? お腹の中にいる赤ちゃんに、私たちの声は聞こえているの?……命の誕生にまつわるさまざまな気持ちを優しく包んでくれるこの絵本。お兄ちゃんお姉ちゃんになる子にも、今では大きくなったあの子にとっても。きっと何かを感じとってくれる温かなお話です。
そして、何より心に深く響く最後の一言。絵本をとじるたびに、大人はその感動を心にそっとしまい込むのでしょう。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
赤ちゃんは、お母さんのおなかのなか。おへその穴から見えるのは、お兄ちゃん、お姉ちゃん、お父さん。みんな、赤ちゃんが生まれてくるのを待っています! 命の誕生を楽しく描いた絵本です。
親もほっこり、子もなっとく
初めて図書館で借りた時の理由は、題名より表紙でした。
私が弟を妊娠してお腹が大きくなったと言う【変化】と、
その後、弟が【赤ちゃん】として産まれて目の前に存在し、
自分も同じようにママのお腹の中から外へ出てきたと言う【事実】に、
3歳の兄は興味を持ちつつも、なかなか理解の難しい壁にぶつかっていました。
「なんで赤ちゃんはお腹の中にいるの?」
「なんで赤ちゃんはひっくり返ってるの?」
「なんで赤ちゃんは出てきたの(産まれてきたの)?」
・・・と妊娠と出産の神秘に疑問がつきません。
そんな時に、たまたま目にして借りたこの本は、
難しい話をシンプルな絵と話にして、子供に説明してくれているようでした。
「弟がお腹にいた時、こうやって【おへそ】からお兄ちゃんをのぞいててん!
お兄ちゃんは、お腹に向かって一所懸命にお話してあげてたやろ?
だから、弟はお兄ちゃんの事が大好きやねんで!!」
と言うと、照れたように笑っていました。
「弟の存在」をどう受け止めていいのかなかなか分からなかった兄ですが、
この絵本のお陰で少し納得した様子に変わったように感じます。
そして、子供に対して説明して聞かせるだけでなく、
親(特に母親)にとっては「ちょっと感動する」赤ちゃんからのメッセージが最後に待っています。
この子は、本当に望まれてココに産まれてきたんだな、と思えるメッセージでした。 (チェリーハッピーさん 30代・ママ 男の子3歳、男の子0歳)
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