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◆@絵本ナビ 新しいムーブメントの予感!?(2007/06/21) »

“efuto=絵封筒”展覧会 に行ってきました!
<イソザキ編集長レポート>

絵封筒って一体なんだろう?そう思いながらも、何だか面白そうな予感がしたので訪れてみることにしました!

会場はていぱーく(逓信総合博物館)です。
ちらりと覗くと絵がびっしり描き込まれている切手のついた封筒がずらり・・・うんうん、これは面白そうな世界だぞ。会場にいらしている方々も同じ様に感じているのでしょう、皆さん熱心に見入っています。


まず最初に並ぶかなり完成度の高い絵封筒の数々。カラフルなもの、洒落た絵、ユーモアたっぷりの絵、細かく描き込まれた絵。コラージュしてあるのもあります。(貼ってある切手を利用しているものも!)住所の書き方も自由気まま、絵の一部になっていたり。
これらは全部「ぞうのエルマー」シリーズで人気の絵本作家デビッド・マッキーのもの。どうやら彼がキーパーソンらしい・・・。「これは一体誰に向けて描いているの?誰がこんな素敵な封筒を受け取っているの??」

抑えられない好奇心を胸に進んでいくと、「この絵は見たことあるぞ。」なんて有名な絵本作家達の作品もたくさん並んでいます。スーザン・バーレイ、エリック・ヒル、ベルジュイスetc・・・。

次にはイギリスを拠点にしている日本人絵本作家きたむらさとしさんのセンス良い作品が並びます。中には絵封筒絵本(!)なんて壮大な続きものシリーズもあったりして。ますます目が釘付け。
「ヨーロッパには昔からこんな文化があるのかしら。」新たな疑問も。
更に更に日本人絵本作家の作品も並び「おぉー。」なんて思っていると、子供達の可愛い力作、全国から集まった作品、会場のワークショップで作られた作品までたくさん・・・どんどん続きます。
この流れる様な展示内容にも興味津々。どんどん広まっている雰囲気がそのまま伝わってきます。

「やっぱりきたむらさとしってセンスいいよねー。」なんて偉そうに語ろうしたその視線の片隅に手作り看板を制作している男の方が・・・あれ?もしかして御本人では!?
そうなんです、偶然にも会場にきたむらさとしさんと今展示の企画者でもある編集者松田素子さんがいらして沢山お話を伺うことができました!!

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そもそものきっかけとしてはデビッド・マッキーが出版社の社長さん宛てに届く絵入りの手紙だったそうなのです。段々絵が封筒の方まで・・・それを面白がった社長が出版社のオフィスの壁に飾り、当然そこに出入りする画家達は刺激を受けて自分も描き始め・・・あっというまにコレクションが増えていったそうなのです。
そんな作家達の一人でもあったきたむらさとしさんもたくさんつくられたそうです。この面白い遊びを紹介しよう・・・そんなことがきっかけだったようです。


>>> きたむらさとしの絵本はこちら
>>> デビッド・マッキーの絵本はこちら

そしてこの様々なコレクションが集まったところで日本郵政交社から声がかかり展覧会が決まり、偶然話を聞いてらした学校の先生から「生徒に描かせたい」と声がかかり・・・会場も展示内容も流れるように決まっていったそうです。
展覧会が決まると、今度は日本人作家からの力作や一般募集の方達の作品が一ヶ月足らずであっという間にどんどん集まって。
この熱気、盛り上がり。日本における「絵封筒ブーム」のきっかけとなる現場に出会ってしまったのかも。ちなみに“efuto”というのは今回カタログとして世界に向けて販売する本の為につくられた言葉だそうで、でも何だかすぐ定着しそうな雰囲気ですよね。

>>> カタログはこちら。
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松田さんは今回、改めて「日本人の想像力の豊かさ」に脱帽してしまったそうです。
確かに「手紙を送る時、切手と住所さえわかればどんな形でも届く」という一つのキーワードをもらった途端、様々な自由で驚きの発想で創られた作品がこんなにも届いてしまったんですもの!
私達日本人の思考って意外と自由なんだなぁ・・・と嬉しくなってしまいます。
更に会場でもどんどん作品が出来上がっていくことにも驚きです。

このちっちゃくとも完成度の高い作品達や絵封筒に対する熱気、子供達の可愛い力作は直接確かめにいく価値あり!です。展覧期間は残りわずかですが、週末にはきたむらさとしさんがいらっしゃる可能性が高いそうですよ。


展覧会情報はこちら→ていぱーく(逓信総合博物館)efuto=絵封筒展
「何だか手紙が書きたくなってきました・・・」→おてがみ絵本特集はこちら。

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