生きる力をはぐくむシュタイナー教育の授業とはどういうものなのか。 ドイツ・シュタイナー学校教員養成所の代表を務めた著者が、1年生か ら8年生までの学年別授業の指導法を具体的に説く。一人ひとりの子供 の発達段階を重視し、子どもの自立をうながすシュタイナー教育の実践 テキスト。混迷する日本の教育への貴重な実践的提言。
■目次より
序文 シュテファン・レーバー
はじめの言葉
第1章 はじめに−親と教師の出会い お互いの信頼関係のはじまり/はじめての父母会
第2章 入学式 はじめての登校日/はじめての授業―「君たちは学びたいから ここに来たんだよ」
第3章 中心授業とエポック授業 エポック授業―一つのテーマに時間をかける/中心授業―集中 とリラックス/リズムの時間/繰り返しの時間/中心授業/書 く時間/お話の時間/なぜ一年生にメルヘンを語るのか/専 科・練習時間・補習授業
第4章 一年生 最初のエポック授業/フォルメン線画/文字の授業/数との出 会い/担任の先生の課題/担任の先生が絵画を教える意味/ 「すべてのものに命が宿る話」−大地とつながるために/「道 徳的な話」―すべての子どもに役立つ練習/遊びの体育/季節 の祭壇/クリスマスにそなえて/一年生の終わりに/親のため の「文章の通信簿」・子どものための「詩の通信簿」/親たちと 迎える一年の終わり/一年生最後の日
第5章 親と先生の取り組み−問題が起きたらどうするか 親の協力を得るために/クラスの劇―共同体をつくる絶好の機 会/シュタイナー学校のクラスの人数/生徒との間で最初の問 題が起きたとき/親と衝突したら―親と先生の関係/親の個人 的な期待に応えられないとき/言いにくい不満/子どもが家で /先生や学校の不満を口にしたら/授業についての不満がある とき/子どもが先生とうまくいかないとき
第6章 二年生 始業日での再会/エポック授業/フォルメン線画/童話と伝説 ―ユーモアと真剣さ/文学の授業/最初の本をみんなで読む/ 活字体から筆記体へ―アルファベットが手と手をつなぐ/計算 力を育てる
第7章 学ぶ姿勢を忘れない−担任の先生の内的な目標 子どもにとっての「権威」とは何か/すべてのことから学ぶ/ つねに学び続ける/アントロポゾフィーの人間学/大切なのは 心の持ち方
第8章 先生たちとの取り組み 子どもの全体的なイメージをつかむために/クラスの職員会議 ―みんなで一つのイメージをつくる/学校の職員会議
第9章 三年生 「ルビコン」を渡る/旧約聖書の授業/エポック授業/農業のエ ポック―「小麦の種がパンになる」/職人と家づくりのエポック /―仕事のなかの職人たちの手/生活のなかの算数―生活力のあ る子どもを育てる/国語の授業の新しい展開/はじめての文法/ 筆記体とドイツ文学/自分の言葉の意味を知る/月例祭
第10章 四年生 子どもの内面の変化/物語について―ゲルマン神話と「エッダ」 /エポック授業/人間学と動物学−直立と自由になった手の課題 /郷土学―子どもの魂が深く呼吸するために/歴史―ある空間の なかでの時間の流れ/そのほかのエポック授業/四年生の終わり
第11章 授業の準備 新しい学年に向かって/新しい週、新しいエポック/毎日の授業 の準備/毎日の授業の復習/毎晩の準備―子どものイメージを思 い浮かべる
第12章 五年生 中級学年への入口/新しいエポック―外に向かう目、内に向かう 目/古代文明への旅―歴史のエポック/ギリシア神話の世界/植 物学―自然のなかの叡智/そのほかのエポック/最初の移動教室
第13章 六年生 十二歳の心とからだの大きな変化/そのほかのエポック/新しい エポック―外の世界に目を向けさせる/最初の物理/最初の鉱物 学/幾何学―コンパスと定規を使って/白黒線描―ふたたび光と 闇に取り組む/生徒と先生の変化
第14章 七年生 生徒の心と外見/新しいエポック―世界像を完成させる/最初の 化学/栄養学と健康学/さまざまな国の民族学―現代人のために 大切なテーマ/そのほかのエポック
第15章 八年生 なぜ八年間も同じ先生に学ぶのか/人間学から見た若者の状態/ 人体解剖学のエポック/気質学―国語の授業で文体を学ぶ/授業 のなかでの気質の表現/最初の現象学/気質と文章の様式/気質 どうしの影響/そのほかのエポック/八年間のまとめ/八年生の クラスの劇/研究発表/担任との別れ/クラス担任のための一年 間の休暇
第16章 おわりに
解説 鳥山敏子
注/参考文献/訳者あとがき
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