2018年に逝去したイラストレーター若尾真一郎の最後の作品集です。タイトルの「M/W」とは若尾の生涯のテーマであった「男と女」=「Man&Woman」。
日本人離れした表現で1970年代に鮮烈にデビュー、広告やエディトリアルで幅広く活躍してきました。腰の柔らかいペンを用いた独特の線で描く世界は、エロティシズム、ナンセンス、ブラックユーモアに溢れ、本能的で官能的な若尾ワールドを作り上げてきました。本作品集は若尾が自身の集大成となる作品展のために描き溜めていたモノクロのドローイング作品をまとめたもので、2種類のスミを使った、再現性の高い印刷になっています。
作家としての活動の一方で、アート・デザインの教育者として、後進の育成にも尽力しました。創形美術学校校長、東京工芸大学芸術学部長、同学長を歴任。彼の元からは著名なデザイナーやイラストレーターが多数巣立っています。
残念ながら若尾真一郎は作品展の開催を待たず世を去りましたが、そのために描き下ろされた遺作がこの度、有志の手により作品集としてまとめられ、それを記念した展覧会が2020年5月11日〜28日に青山の「ギャラリー5610」で開催予定。
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