〈ヘミングウェイという大海原〉を、作家的、そして作品的アプローチによって、縦横無尽に航海(=研究)してきた「日本ヘミングウェイ協会」三〇年のエッセンスがこの一冊に凝縮!協会が選りすぐった特集論文、投稿論文、そして学会誌『ヘミングウェイ研究』創刊号から第20号の表紙と目次も収録
目次
?まえがき
?海図?ヘミングウェイ研究の三〇年(小笠原亜衣)
?ヘミングウェイ?作家の「知的な」振る舞いと美学(今村楯夫)
?不況時代のアメリカ?『持つと持たぬと』の背景(千葉義也)
?ヘミングウェイと記憶の中のミシガン(島村法夫)
?アンドロジニー論のゆくえ?ハドレーと二人のキャサリン(前田一平)
?「エリオット夫妻」のセクシュアリティ(谷本千雅子)
?「スペイン」を巡る「物語」?Kenと"The Old Man at the Bridge" を中心に(長谷川裕一)
?ナルシスティック/シネマティック・ゲルニカ?ヘミングウェイ、イヴェンス、『スペインの大地(塚田幸光)
?戦場へのレクイエム?atomic jokesと『河を渡って木立の中へ』(柳沢秀郎)
?Hemingway’s Acceptance in China(Jun Lu)
?ヘミングウェイの語りの文体(倉林秀男)
?偽装された主人公?話法から読み直すFor Whom the Bell Tolls(新関芳生)
?ヘミングウェイの詩と文体(真鍋晶子)
?ヘミングウェイのヴァナキュラー・スタイル?『誰がために鐘は鳴る』、人種、WPA(辻秀雄)
?ジェイムズ、ヘミングウェイ、覗きの欲望(高野泰志)
?追憶のパリ?死後出版作品群における「1920年代パリ」の記憶とその機能(フェアバンクス香織)
?瞬間の生、永遠の現在?“パリのアメリカ人”ヘミングウェイとバーンズの移動性(小笠原亜衣)
?エモーションの換気とその持続?「大きな二つの心臓のある川」を中心に(大森昭生)
?交差する言語と身体?「白い象のような山々」における発話の行為遂行性(辻(古谷)裕美)
?人種的視点から見た20年代パリとヘミングウェイ?『日はまた昇る』に見るヘミングウェイの人種意識(本荘忠大)
?『日はまた昇る』から消された黒人の声?創作過程と時代状況から考える(中村亨)
?The Bull and the Matador(Masaaki Wakamatsu)
?「大きな二つの心臓のある川」再読?「黒いバッタ」と「茶色のバッタ」(長尾晋宏)
?サウンド・アンド・サイレンス?『日はまた昇る』における「音」の機能(勝井(戸田)慧)
?コーンの鼻はなぜ平たくなければならないのか?20世紀初頭のアメリカにおける混血恐怖と美容整形術を中心に(中村嘉雄)
?彼女たちを語らなかった彼をどう読むか?ヘミングウェイ作品における女性インディアン表象再考(田村恵理)
?あとがき
続きを読む