もうなかないよ、クリズラ もうなかないよ、クリズラ
作: ゼバスティアン・ロート 訳: 平野 卿子  出版社: 冨山房 冨山房の特集ページがあります!
読み手の年齢を選ばない子どもから大人まで、それぞれの感性で理解してうけとめる事のできる「みんなの本」です。
ふわふわ、もこもこ。今年のミッフィーは・・・ゆきだるま?!
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《スペシャルコンテンツ》インタビュー

2012.11.22

「なんでも魔女商会」シリーズ
あんびるやすこさんインタビュー

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「なんでも魔女商会」シリーズあんびるやすこさんインタビュー

お子さんが小学校に上がる頃になると、「そろそろ絵本を卒業して、文字の多い本を読んでほしい…」と望まれるお母さん方も多いのではないでしょうか?しかし、長い物語を読むことは子ども達にとって、かなり大変なこと。そこから読書を避けてしまう子も少なくありません。

そんな読書離れにストップをかける、女の子に大人気シリーズをご紹介いたします。

シリーズ名は「なんでも魔女商会」。女の子が大好きな「魔法」と「ドレス」がふんだんに描かれ、出会ったとたんにキラキラとしたその作品の魅力にハマることでしょう。

今回は、著者であるあんびるやすこさんのアトリエにお伺いしました。華やかでカワイイ作品を生み出す作家さんというイメージ通りの素敵なアトリエにドキドキしながら、作品の生まれたきっかけやシリーズ人気の秘密に迫りました。

インタビューの前に「なんでも魔女商会」シリーズをご紹介します!

転校してきたばかりのナナが見つけた森の中のすてきなお店は、なんでも魔女商会リフォーム支店。お店の主人のシルクは、ナナと同じくらいの女の子に見えるのに、とても腕のいいおさいほう魔女なのです。
お店には礼儀正しい召使いねこのコットンもいます。
「なんでも魔女商会」は人間以外なら誰でも知っている信頼ある魔法の老舗で、
このお店には本当に用事がある者だけが訪れることが出来る魔法がかかっています。

ナ ナ  ・・・シルクの親友。心やさしい人間の女の子でおさいほうが大好き。

あんびるさんコメント:ナナはごくふつうの女の子。正義感があり、偏見をもたず何者も受け入れるところがあります。唯一ダメだったのがお化けだったのですが、シリーズの中でお化けに対する偏見も克服していきます。

 

シルク  ・・・なんでも魔女商会、お洋服リフォーム支店の主人。腕のいいおさいほう魔女。

あんびるさんコメント:シルクはいわゆる「ツンデレ系」(笑)。本当のことしか言わないから、結構きつい言い方になってしまうこともあるけれど、けしてウソはつかない非常に誠実な魔女です。お客さんのことを考えてあげるという点では心優しい魔女ですが、そう見られないところがシルクらしさだと思います。

コットン ・・・シルクに仕える召使いネコ。

あんびるさんコメント:「魔女」といえば「黒猫」というイメージから誕生したキャラクターです。はじめから真っ黒ではなく、白い部分もあるネコを考えていて、コットン自身はそれがコンプレックス。コットンのコンプレックスに関するお話もシリーズで出てきます。 (「コットンの夏休み」「85パーセントの黒猫」)


「魔法」「お洋服」「リフォーム」女の子の夢を集めた「なんでも魔女商会」シリーズ

なんでも魔女商会(1) お洋服リフォーム支店
作・絵:あんびる やすこ
出版社:岩崎書店

森の中にすてきなお店をみつけたナナは思わず入ってみます。そこは洋服屋でした。お客さんは人間ではなく、森の動物たち。主人はちょっとつめたいかんじの女の子です。

───「なんでも魔女商会」は、魔女の世界の設定や各巻に登場する魔法アイテムが女の子のハートをつかんでいると思うのですが、登場人物がとってもキュートで魅力的に感じました。シルク達の設定はどうやって考えられたんですか?

シルクの設定が一番最初に思い浮かびましたね。最初の段階ではナナはいなくて、シルクとコットンだけだったんですよ。でも、シリーズとして読者の方に長く読んでもらうためには、感情移入できる人間の女の子も必要かなと思って、ナナを登場させたんです。

───シルクのちょっとツンツンした性格と、ナナは素直でやさしい性格の対比が読者として、より親近感を感じました。

そうですね。ナナを登場させたことで、ナナとシルクの友情を描けるようになったので、物語がより広がっていったと思います。

───物語では魔法で作られたものは価値が低いとシルクが言っていたり、呪文を唱えて解決をするような世界を描いていないところも、このシリーズの特徴に感じました。

確かに魔法を使えばなんでもできちゃうんですけど、魔法で解決しちゃうと物語としては面白さが欠けてしまうと思うんですよね。それより、魔法でしていいことと、してはいけないことの決まりのある世界の方が面白いんです。子ども達は呪文や魔法で一発解決するストーリーよりも、ホウキや魔法の鍵など、魔法的世界観とディティールが好きなんだと思うんです。

───ひとつのドアに違う鍵を入れると全く別の部屋へ行けるというような、身近にあるものが実は魔法の道具だった…という、日常とファンタジーが微妙に重なっている部分にドキドキしました(笑)。
シルクの「おさいほう魔女」という設定も、新品を作るのではなく「リフォームする」というのが新しいですよね。

リフォームは成長であり変身であると思うんです。リフォームする前の洋服には今までの歴史があるし、リフォームすることになった洋服にも、どうしてリフォームするのかというドラマがありますよね。それを物語にしたら、登場人物たちの成長も語れて、より面白いおはなしができるんじゃないかと思ったんです。

───その考えがまさに大当たりだったんですね。おはなしの中に登場するドレスのデザイン画が、すごくステキで、目をキラキラさせて見入ってしまいます。

このデザイン画が好きだといってくれる読者の方は多いですね。2巻目の『ただいま魔法旅行中。』では、たまたまこのデザイン画のページが白黒だったんです。そうしたら、「デザイン画のページはカラーにしてください!」ってものすごい数のお手紙をいただいて…(笑)。 それ以降、このデザイン画はほとんどカラーなんですよ。

───洋服のデザインは、毎回どのように考えているんですか?

ファッション関係の本をよく見ます。今までは洋書のファッション誌を参考にしていたのですが、最近注目しているのは「ニコプチ」(新潮社)などの小学生向けのファッション誌です。オシャレな女の子達向けの雑誌は特に気にしてチェックしますね。特にナナは人間の女の子なので、「ナナみたいな服を着たい」と思ってもらえるようにすごく慎重にデザインを考えます。私は元々、人形のドレスをデザインする仕事をしていたので、ドレスのデザインを考えるのは好きです。ただ、動物達に着せるとなると、人形のデザインとはまた少し違った難しさがありますね(笑)。

───特に印象に残っているドレスはありますか?

毎回一生懸命考えているんですが、特に印象に残っているのは1作目のパッチワークドレスと『魔女スピカからの手紙』のときのねずみのドレス。ねずみのドレスは4匹の服が似ているんだけどちょっとずつ違うデザインにしたところがお気に入りです。

───2月に発売された最新作『うわさのとんでも魔女商会』ではコピーがテーマになっていて、とても今っぽいテーマを選ばれた印象を受けました。なぜコピーを扱おうと思ったんですか?

よくキャラクターモノでシリーズが続いていくと、必ずニセモノが現れますよね。そのセオリーを踏襲して、コピー魔女は生まれました(笑)。心を込めて作ったものとコピーの違い、自分にふさわしいものを自分で選ぶ方が、みんなと同じものを選ぶよりいいんじゃないのってところを、伝えたかったのです。

なんでも魔女商会(18) うわさのとんでも魔女商会
作・絵:あんびる やすこ
出版社:岩崎書店

「なんでも魔女商会」で作ったり、お直ししたドレスと、そっくりなドレスをコピー魔法で作ってしまう「とんでも魔女商会」。シルクとお裁縫魔女たちは止めさせようとしますが。

───物語の中で、コピーを悪いことと考えて、とがめるのではなく、コピーよりもオリジナルの方が良いよということを自然に伝えているのがいいですよね。

「なんでも魔女商会」シリーズはシルクが声高に何かアドバイスをするわけではなく、登場人物が自ら気づくスタンスを取っているんです。そこには、読者である子ども達が登場人物と一緒になって気づくことで、同じようにいつでも変わっていける、成長できるという感覚を共有してほしいという思いを込めています。

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あんびる やすこ

  • 群馬県生まれ。東海大学日本文学科卒業。
    テレビアニメーションの美術設定を担当。
    その後、玩具の企画デザインに携わり、絵本、児童書の創作活動に入る。主な作品に、「魔法の庭ものがたり」シリーズ(ポプラ社)、「こじまのもり」シリーズ『せかいいちおいしいレストラン』(ひさかたチャイルド)、「ルルとララ」シリーズ、「なんでも魔女商会」シリーズ、「アンティークFUGA」シリーズ(岩崎書店)『妖精の家具、おつくりします。』『妖精のぼうし、おゆずりします。』(PHP研究所)などがある。

作品紹介

なんでも魔女商会(18) うわさのとんでも魔女商会
作・絵:あんびる やすこ
出版社:岩崎書店
なんでも魔女商会(1) お洋服リフォーム支店
作・絵:あんびる やすこ
出版社:岩崎書店
アンティークFUGA(1) 我が名はシャナイア
作:あんびる やすこ
絵:十々夜
出版社:岩崎書店
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