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《スペシャルコンテンツ》突撃レポート

2012.03.12

絵本「ガタガタ村と大ナマズ」で防災を訴える自治会長、鈴木英明さんを取材しました。

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『ガタガタ村と大ナマズ』

「ガタガタ村と大ナマズ」
文:山王三・四丁目自治会
絵:寺田 順三
出版社:Z会

東日本大震災から1年。親子のための防災指南が絵本で登場!
いつ、どこで発生するかわからない大地震。事前に対処可能な物理的備えの必要性とともに、有事の際の臨機応変な判断力・行動力の重要性を、絵本を通じて語ります。

─── 自治会が絵本を作る、しかも防災がテーマで。
珍しい取り組みですね。

鈴木:いま首都直下型大震災はいつ来てもおかしくない時期にあります。
町で過ごす幼い子供たちは、町で被災する確率が非常に高い。
町の子供たちの命を、ひとつでも多く救いたいんです。
子供は未来そのものですから。
そのために、絵本が一番有効かつ現実的な手段だと考えました。

─── 現実的にと言いますと?

鈴木:私たちは阪神・淡路大震災が起きた17年前、大規模な震災がおきたとき、消防や救急などのプロは、ひとつひとつの町まで来てくれない厳しい現実を知りました。
そこで「自分たちの町は自分たちで守ろう」と有志8名で自主防災組織を作りました。
地震が起きたら次は火が出ます。生き延びてもその後の火災で命も財産もなくなることが多い。
そのとき備えがなければ、手は打てないのです。

─── 地道な防災活動で、今では隊員が50名を越えたとうかがいました。

鈴木:はい。防災の輪は確実に町に広がっています。でも、私たちの自治会は3,600人の町です。
50名では安心できる消火能力、救命能力には遠く及びません。
また、若くて体力のある隊員は、もっともっと欲しい。

─── 若い人は自治会活動や、防災活動へ関心が持ちにくいのでは?

鈴木:はい。体力も判断力もあり、頼りにしたい若手のパパやママは仕事や育児にてんてこ舞いなのか、忙しくてなかなか防災どころではないようです。
独身の方は地域への関与度が低いのでなおさらです。
しかし、今想定される首都直下型の破壊力は相当なものです。
忙しいとか、面倒臭いとかで備えていなかったらどうなるか、イメージすれば体は動くはずです。

─── そのイメージを持ってもらうためのツールとして「絵本」なのですか?

鈴木:はい。この国に住んでいる限りは誰もがガタガタ村の住人です。そしてわが町もガタガタ村。
子供の時にそのことを強く刷り込んでおきたいのです。
環境問題でも、小学校で教育された今の世代と、その親の世代では意識が違う。
イメージするためには体験か教育しかない。
百年、千年に一度の地震は体験できない。大げさですが、絵本を通して理屈でなく、この国に生まれた運命を受け入れる意識を刷り込むようなことが必要です。

─── 子供が率先して防災する、ということですか?

鈴木:この絵本の出版をサポートしてくださったZ会さんは学ぶことを事業の真ん中に据えておられる。
なぜ人は学ぶのか。哲学でなく、賢く生きる為に学ぶのではないか。
生きる上で基本は、命が安心、安全であること。その確保は自己責任。
この当たり前のことが、文明が進み、特に都市では見えにくくなっている。
国語、算数、理科、社会と言いますが、その前に「命」が大事とするならば、「国語、算数、理科、防災」でも後回しすぎるくらいです。
だから、「三つ子の防災百までも」になってほしい。

─── 子供に防災を浸透させる。一見難題のように思えますね。

鈴木:それは、大人も子供も同じだと思います。
大切なことは、まず楽しいこと。楽しくないと人は興味を示さないし続かないものです。
そして、興味を持てばイメージを持てるし、そのために何をすればいいかにたどり着くでしょう。
相当の規模の地震が来る。そのとき死にたくない。ならばどうする。
子供たちに、その思考が繋がるようなトレーニングをしておくのとしていないのでは大違いです。
現に釜石で助かった子供たちのように、子供がその場で判断し動くことも可能になる。

─── 命を守るのに、子供も大人もない、ってことですね。

鈴木:はい。そのとき、子供一人かも知れない。親ががれきの下敷きで子供しか動けないかも知れない。
状況は様々でしょう。極論ですが、歩けるようになったら、自分の命を自分で守るくらいの意識がこの国で生きてゆくには必要だということです。みんな、ガタガタ村の住人なんですから。
子供が無事であれば、マンパワーは他に当てられる。
高齢者の介助、延焼の防止、火事場ドロボウの警戒、避難所の運営。
自分たちでしなければならないことは、気が遠くなるほどあります。
へこたれそうになるときもあるでしょう。そんなときパワーの源は子供たちの笑顔だと思います。
だからわが町では子供の犠牲者を一人も出したくないのです。

─── 最後に、マニュアルではなくストーリーの絵本にしたのはなぜですか?

鈴木:「三つ子の防災百までも」になってほしいので対象者を3歳から小学2年生ぐらいにしました。
小学生といえどもたくさんのことは覚えられない。
まして、そのときはパニックで何も思い出せないかも知れない。
体に染み込んでいることが最後に生きてくるのではないかと考えました。
日頃からストーリーのある絵本を読むうちに、子供にも、親にも防災の意識が血肉になる。
具体的な防災の備え方は他の書物にゆずるとして、日頃よりいろんな危機に対して、賢く生き抜く知恵を親子で語り合える機会となることを節に願っています。

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