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《スペシャルコンテンツ》インタビュー

2014.08.28

紡木たく PICTURE BOOK(ピクチャーブック)
編集者インタビュー

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紡木たく PICTURE BOOK(ピクチャーブック)編集者インタビュー

「ホットロード」「瞬きもせず」と言えば、1982年17歳のときに「待ち人」(別冊マーガレット)で鮮烈なデビューを飾り、等身大の少女たちのリアルな心情を描き続けた漫画家・紡木たくさんの伝説の名作。絵本ナビユーザーの中には10代のころ、紡木さんの作品に夢中になった・・・という方もいらっしゃるのではないでしょうか。彼女の描く独特な表現手法と世界観は多くの読者を魅了しました。
今回、ご紹介するのはそんな紡木さん初の絵本『紡木たく PICTURE BOOK(ピクチャーブック)』です。ページをめくってまず驚くのは、時代を感じさせない色鮮やかな色彩と、そこに紡がれる瑞々しい言葉たち…。甘酸っぱい青春が手の中に戻ってきたような美しい一冊です。
この絵本の編集を手がけた集英社の宇田川晶子さんに、作品の生まれた背景や魅力など、たくさん伺いました。

紡木たく PICTURE BOOK
紡木たく PICTURE BOOK  の試し読みができます!
文・絵:紡木 たく
出版社:集英社

キラキラまぶしい絵と珠玉の言葉がつまった作者初の絵本。伝説の名作「瞬きもせず」と「ホットロード」から作者が絵とモノローグを厳選して生まれた、全く新しい世界です。 ひとつひとつのシーンが胸に迫ります。

伝説の少女漫画が「PICTURE BOOK」としてよみがえる!

───私は10代の頃に紡木さんの作品を読んでいた世代なんです。特に「ホットロード」は、主人公の和希(かずき)の髪型を真似してみたりして(笑)。なので今回、「紡木たく PICTURE BOOK(ピクチャーブック)」が発売されると聞いて、すごく嬉しくて、他のスタッフとも盛り上がりました。8月には映画「ホットロード」も公開されましたし、すごくタイムリーですよね。

そうなんです。この絵本の出版には「ホットロード」の映画公開が重要なきっかけとなっています。ただ紡木さんは映画公開にあわせては、何もされない意向でした。でも私がこの企画の見本をお渡ししたところ、これだけは興味をもってくださって企画を受け取ってくださいました。ですから映画化という話題性をぬきにしても手に取っていただきたいです。

───『紡木たくPICTURE BOOK』では、「ホットロード」ともう1作、こちらも紡木さんの代表作である「瞬きもせず」がひとつの作品になっていますよね。「瞬きもせず」はコミックスでいうと7巻、「ホットロード」は4巻と、長い作品ですが、「PICTURE BOOK」では、短くまとめられていて、しかもそれがただのストーリーの抜粋ではなく、新たなメッセージを持つ内容になっていて、新鮮な気持ちで読むことができました。このような作りにするのは大変だったのではないですか?

「ホットロード」は、「自分は誰からも必要とされていないのでは」という不安を抱えた少女・和希と不良少年の春山が、次第に惹かれあっていく様が描かれる物語。
一方「瞬きもせず」は、山口の田舎で高校生の多感な時期を過ごす、少年少女の日々が綴られている。ともに別冊マーガレット(集英社)にて連載されていた。

※現在は『ホットロード1〜2』『瞬きもせず1〜4』集英社文庫<コミック版>として好評発売中


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集英社資料室に保管されていた掲載誌のコピーを見せていただきました。


制作の手順としては、最初に私が雑誌掲載時の資料をコピーして、仮に「PICTURE BOOK」の形に構成した見本を紡木さんにお見せしました。
紡木さんは同じように、自分の作品の中からイラストとテキストを選び、自由に組み合わせてくださいました。
すると、連載時の構成とはまったく違うのに、「ホットロード」の世界、「瞬きもせず」の世界になったのです。まるでコミックは読み返さないのに、自分の記憶の中の2作品に出会える感じでした。




───イラストもモノローグも全部連載時のままということは、カラーイラストも当時の原画を使ったんですか?


はい。カラーの原画を初めて見たときは感動で手が震えました。マンガというと、どうしてもモノクロの印象が強いですよね。雑誌連載時にカラーでも、コミックスにするとき、多くはモノクロになってしまう…それがとても残念に感じていました。特に紡木さんの作品は色がとても美しいので、いつか読者の方にカラーのままじっくりと見ていただきたいと思っていました。


───本当にどのイラストもすごく透明感があって、美しいものばかりですね。イラストのセレクトで気をつけたことは、どんなところでしょうか?

紡木さんのセレクトは、顔のアップがほとんどないんですね。むしろキャラクターが風景の中にぽつんといたりする。そのように風景や情景が中心となっていて、あの時に見た風景、あの時に思った気持ちなどが、よみがえってくるような1ページ1ページになっています。そして厳密にストーリーを追うことをやめたので、何の拘束もなく、現在の自分の状況でその世界に入って行けます。昔を懐かしむこともあれば、今の自分へのメッセージにも聴こえてくる。その結果、元のストーリーを全く知らない方が読んでも魅力的な作品になっています。

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作品紹介

紡木たく PICTURE BOOK
紡木たく PICTURE BOOK  の試し読みができます!
文・絵:紡木 たく
出版社:集英社
全ページためしよみ
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