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作・絵: いしかわ こうじ  出版社: ポプラ社 ポプラ社の特集ページがあります!
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大人気シリーズ第2弾!『やさいのがっこう ピーマンくんゆめをみる』 なかやみわさんインタビュー

2016年4月に発売され、たちまち大人気となった『やさいのがっこう とまとちゃんのたびだち』(白泉社)。2017年、シリーズ第2弾となる『やさいのがっこう ピーマンくんゆめをみる』が発売されました。作者のなかやみわさんは「どんぐりむら」シリーズ(学研)や、「くれよんのくろくん」シリーズ(童心社)など、子どもたちのハートをつかむ魅力的なおはなしを得意とする絵本作家さんです。なかやさんから、『やさいのがっこう ピーマンくんゆめをみる』の制作秘話、作品に込めた思いを伺いました。

2作目の主役は、ちょっとおとぼけ、ピーマンくんです。

───早くも第2弾が話題の「やさいのがっこう」シリーズ。1作目の『やさいのがっこう とまとちゃんのたびだち』が出版されたときにも、お話を伺いましたが、2冊目の主人公はピーマンくん。ピーマンくんのおはなしはどのように決まったのですか?

「やさいのがっこう」シリーズの登場人物は、もともと別の企業から依頼をいただいて描いたキャラクターなんです。それを、白泉社の編集者さんが気に入ってくださり、絵本として新たにおはなしを作ることになりました。絵本を作る前に何案か、キャラクターを決めておはなしを考えたのですが、その中に、とまとちゃんとピーマンくんのおはなしがありました。


最初のイメージ案を見せていただきました。

───とまとちゃんのおはなしと、ピーマンくんのおはなしは、同時期に考えられたのですね。

簡単なプロットのようなものでしたが、それを編集者さんにお見せしました。特にピーマンくんのおはなしは、自分でもストーリーがしっかりとできていると思っていて、シリーズの1作目に持ってきたらどうかと考えていたんです。ただ、出版に向けて、営業やほかの部署の方々の意見を伺うと、1冊目は子どもたちに人気の野菜の方が良いのでは……という感想も多く、とまとちゃんのおはなしをシリーズ第1作目にすることに決まりました。

───ピーマンは苦みが強くて、苦手な子どもも多いイメージがありますね。

そうなんです。トマトは色も赤くて子どもたちが好きですし、最近は「フルーツトマト」のように甘くておいしいトマトも出ている。子どもたちに人気の野菜上位に入っているんです。

───対するピーマンはワースト3以内なんですよね……。

はい。なので、絵本を通して、ピーマンくんに興味を持ってもらえるようになると良いなと思いながら、作品を作りました。

───とまとちゃんは、「やさいのがっこう」の中でも優等生な印象がありましたが、今回の主人公、ピーマンくんは学校に遅刻したり、授業中居眠りをしていたり、ちょっと困ったキャラクターですよね。

ピーマンくんは、小学校低学年くらいの一般的な男の子をイメージして作ったキャラクターです。この年齢の男の子って、頑張ろうとしていても、ちょっと怠けちゃったり、マイペースで集団から遅れたりする子が少なからずいると思うんです。ちょっとおバカだけど、そんなところもとってもかわいい、そう思ってもらえるような男の子を描きたいと思いました。

───なかやさんは息子さんがいらっしゃいますが、息子さんのイメージも近いですか?

特にモデルにしているわけではないのですが、おそらく、男の子をお持ちの親御さんたちが見たら、「そうそう、うちの子と同じ……」と共感していただける部分が、ピーマンくんにはあると思います。

───それは、ピーマンという野菜からイメージした性格でもあるのでしょうか?

ピーマンって、中身は空っぽですよね。だから、あまり悩みを持たない、明るく、チャレンジャーなキャラクターというイメージにしたかったんです。

───絵本では、ピーマンくんが緑色ではなく、もっとカラフルな色になりたくて奮闘する物語。授業風景なども描かれていて、より「やさいのがっこう」の様子が読者に伝わると思いました。

『やさいのがっこう とまとちゃんのたびだち』では、あまり描くことのなかった場面を、今回は見せようと思いました。教室の中の様子は、現実にある学校と似ているところが多いと思います。小学校に通っているお子さんは「うちの学校と同じ!」と共通点を見つけていただくのも面白いと思います。

───まだ、学校に通っていないお子さんは、この絵本で「学校って、こんなところなんだ〜」と思いを馳せることができそうですね。黒板や机など、木の素材が暖かさを感じますし、なすびせんせいの授業を真剣に聞いている、野菜たちの後ろ姿がとってもかわいいです。 「じかんわり」にある、「に」や「な」というのは、どういう授業なのか気になりました。

「な」はなすびせんせいのおはなし、「に」は日光浴のつもりで描きました。「た」は体操ですね。

───やさいのがっこうならではの授業が並んでいるのが面白いです。授業中、なすびせんせいのおはなしを聞く時間、ピーマンくんは居眠りをしてしまいますが、なかやさんは子どもの頃、ピーマンくんのように居眠りをしてしまうことはありましたか?

私はどちらかというと、とまとちゃんのようなタイプの子どもでした。先生に目をつけられたり、怒られることのないよう、結構真面目に学生生活を送っていました。

───ピーマンくんは、仲の良かった「はくさいくん」が「ごうかくシール」をもらって卒業したことで、自分も頑張ろうと一念発起。授業も真面目に受けようと決心しますよね。同時に、自分がやさいのがっこうに入学したときに卒業していった、カラフルなパプリカを思い出して、自分も赤や黄色になりたいと頑張ります。パプリカをピーマンと間違える展開が、とても面白いと思いました。

最近、野菜を買いにスーパーに行くと、ピーマンとパプリカが並んでいるのを目にしますよね。いつも、似ているな〜と思っていたのですが、改めて調べると、ピーマン嫌いの子どもに、まずピーマンより苦みの少ないパプリカを食べてもらい、徐々にピーマンを好きになってもらう克服の仕方があることを知りました。それならと、ピーマンくんのおはなしにパプリカを登場させることにしました。

───「ごうかくシール」がもらえるよう、授業も真面目に受けようとするピーマンくん。でも、やっぱり居眠りをしてしまうのがピーマンくんらしい、ちょっとおとぼけなところ。居眠りのときに見る夢がとてもカラフルで見ごたえがありました。

「やさいのがっこう」シリーズは基本的に野菜たちの世界のはなし、しかも学校が舞台なので、あまり人工的なものや生き物は出すことができないと思っていました。でも、ピーマンくんの夢なら、いろいろなものを登場させることができる。この場面は特に楽しんで描いたページですね。

───黄色と言えば、プリンや傘。赤と言えば、リンゴ、金魚、たき火……、色のイメージから連想されるものが出てきて、すごくワクワクする場面ですよね。夢の中で、赤や黄色に体の色が変わるピーマンくんの姿もとてもかわいいです。

実はこのピーマンくんが夢を見る場面、最初のラフ(下絵)にはなくて、後から追加した場面なんです。

───そうなんですか? 最初はどんなおはなしだったのでしょう。

ともだちのにんじんくんが登場していました。私が調べた中で、にんじんは、日が当たると葉元の部分が、緑になってしまうから、それを防止するために、葉元の部分まで土をかぶせるという情報があったんです。その特徴を生かして、ピーマンくんがにんじんのように、赤い色になれるよう、土の中に潜るというストーリーにしていました。


制作の段階で、ボツになった設定もあります。

しかし、ラフを完成させて、編集者さんを通じて、野菜のプロの方に確認してもらったら、一度、葉元が青くなってしまったにんじんは、土をかぶせても色は戻らないと教えていただき、変更することにしたんです。もちろん、絵本は物語ですから、このまま変えずに作ることもできます。でもそこで間違ったことを描いてしまうと、絵本を読んだ子どもが、葉元の青いにんじんを見つけて、土をかぶせてオレンジ色にしようとすることがあるかもしれない。そうしたら、絵本に出ていることが嘘だということが分かってしまう。私は、そういう意味での裏切りを子どもにはしたくないと思っているので、できる限り正確な情報をもとにおはなしづくりをしています。

───でも、ここまで完成されているおはなしを作り直すのは、とてもパワーがいることだと思います。

たしかに、土の中にいるピーマンくんの姿がとてもかわいいと思っていたので、使えないと分かったときはかなり落ち込みました。でも、絵本は私一人で作っているわけではなく、編集者さんといろいろ意見を交換したり、考えながら作っています。ピーマンくんが夢の中で赤や黄色に姿が変わる展開は、編集者さんからいただいたアドバイスで、それを提案されたとき、今よりもっと楽しいおはなしになると思ったので、思い切って描き直すことができました。

───そのほかにも、野菜のプロの方に聞いて変わった部分はありますか?

「にっこうよく」のページですね。最初、じゃがいもくんやだいこんさん、にんじんくんも、大の字になって日光浴をしていました。でも、ジャガイモは日光に当たると芽が出てきてしまい、その芽を食べると体に毒なので、描くのを止めました。だいこんさんとにんじんくんは、葉の部分だけ日光に当てるのが良いと教えてもらい、タオルで体を隠すようにしました。

───全身で日光浴をしている野菜と、タオルをかけている野菜の描き方にも、野菜それぞれの特徴が考えられていたのですね。

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なかやみわ

  • 埼玉県生まれ。女子美術短期大学造形科グラフィックデザイン教室卒業。企業のデザイナーを経て、絵本作家になる。 主な絵本に「そらまめくん」シリーズ(福音館書店・小学館)、「ばすくん」シリーズ(小学館)、「くれよんのくろくん」シリーズ(童心社)、「どんぐりむら」シリーズ(学研)、「こぐまのくうぴい」シリーズ(ミキハウス)など多数ある。愛くるしく魅力的な登場人物を描いた絵本作品は、子どもたちの絶大な支持を受けている。
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