雨ニモマケズ 雨ニモマケズ 雨ニモマケズの試し読みができます!
作: 宮沢 賢治 絵: 柚木 沙弥郎  出版社: 三起商行(ミキハウス) 三起商行(ミキハウス)の特集ページがあります!
闘病生活のさなかに賢治が書きとめられたその言葉は、 作品として書かれたものではなく、 賢治の「祈り」そのものだった・・・・・・。
りひまるさん 40代・ママ

たくさんの人に
宮沢賢治さんの「雨ニモマケズ」こういっ…
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心を繋ぐ、アートセラピー体験絵本『海を飛ぶたね』 暁ーAkatsuki―さんインタビュー

アートワークセラピストとして活動をされている暁―Akatsuki―さん。ご自身のワークショップで行っている「たねのワーク」を元にした絵本を制作されました。『海を飛ぶたね』は、プロのアートワークセラピストが描いた、はじめてのアートセラピー体験絵本です。「アートセラピーってどんなことをするの?」「絵本を読んでアートセラピーが体験できるってどういうこと?」など、疑問を解消するために、作者の暁―Akatsuki―さんにお話を伺いました。

海を飛ぶたね
作:暁〜Akatsuki〜
出版社:メディアイランド

見つけた‥‥本当の自分。 心をつなぐ、アートセラピー体験絵本。 アートセラピーは、いま、新しい心理療法として注目されています。 ●本文は、日本語と英語の2か国語併記。 海外の方、児童向け総合学習にも役立ちます。 プレゼントにも最適! ●著者の暁さんは、日本画を学び、現在はアートセラピストとして活躍中。 心が穏やかになる色調が特徴です。

アートセラピーのワークショップで作った絵本が、出版されました。

───絵本を通してアートセラピーを体験できるというのは、とても面白いことだと思います。どういったきっかけでこの『海を飛ぶたね』の発想は生まれたのですか?

私は、2009年頃にチャイルドセラピーの勉強を始め、アートセラピーワークショップの活動をしていく中で生まれたワークショップに「たねのワーク」というものがあるのです。

───「たねのワーク」ではどんなことをやるのですか?

アートセラピーではアート表現を通して、自分でも知らなかった本当の気持ちに出会ったり、感情を解放させたりすることで、心を癒し、自尊感情を高めることを目指します。
アートセラピーワークショップをしていく中で、体を動かしたり、五感を刺激すると、目に見えてその人の表現が広がっていくことに感動しました。そこから、暁〜Akatsuki〜のアートセラピーでは、身体ワークを多く取り入れるようになり、そんな中で「たねのワーク」が生まれました。
「たねのワーク」では、まず、自分の膝を抱えて丸くなります。自分が「たね」になるんです。そして、好きなところに転がりながら、どこにでも行けるならば、どんなところに行きたいか、季節はいつがいいかなど、想像を膨らませます。次に、ブランケット=土に包まれて、目をつむります。これは胎内回帰も暗喩しています。その後、自分という種は何になりたいかを想像します。土の中で、雨の音や嵐の音、風のそよぎ、春の香りなど、五感を刺激される体験をします。そして、ブランケットから、勢いよくジャンプをして飛び出て、種から生まれます。
このように、一度心身共にワークで解放感を味わってから、種から生まれるイメージで絵を描いてもらいます。

───とても楽しそうなワークショップですね。

「たねのワーク」のすすめ方は絵本の最後にも掲載しています。当初、ワークショップの導入に「ふしぎなたね」というオリジナル物語を読んでいました。ふしぎな種が降ってきて、種から葉っぱが生えて、それから雷雲が生まれたよ、ロケットが生まれたよ……という、とても単純な繰り返しのおはなしです。このおはなしを読むと、スムーズに「たねのワーク」の世界へと誘うことができるんです。私自身がアートセラピーがきっかけで、肩の力が抜け、心が自由になった気がして、多くの方にこの「ふしぎなたね」のお話やアートセラピーを身近に感じてほしいと思い、絵本を制作することにしました。


「ふしぎなたね」の絵本を見せていただきました。

───元々、絵本に興味があったのですか?

物語を作るのが好きで、絵を描くのも好きだったので、小さいころから、自分で絵と文章を作って、絵本のようなものは作っていました。小学校の自由研究で絵本を作ったこともあるんですよ。でも、当時好きだった男の子に「これお前がつくったんだろ〜」と、はやし立てられて、恥ずかしくなって発表出来ず、自由研究を提出しなかった……なんてこともありました(笑)。美大を卒業し、ジュエリーデザイナーとして活動する中でも、心のどこかで「いつか、絵本を作りたい」と思っていました。ただ、なかなか自分から行動を起こすまでに至らずにいたんです。でも、あるとき「まず自分から動き出さなくては!」と一念発起。「ふしぎなたね」の絵本を片手に、イタリアのボローニャ国際児童図書展へ持ち込みに行ったんです。

───ボローニャ国際児童図書展と言えば、世界的な絵本作家の登竜門的存在ですね。絵本を作りたいと思ってから、一気に夢を形にしようと思われたんですね。

はい。海外の出版社に持ち込みをしましたが、今思うと、下絵だけのひどいプレゼンでした。厳しい言葉もたくさん頂き、文字通り玉砕でした。
しかし帰国後、ボローニャでの売り込みがきっかけで、アラブ首長国連邦の絵本展から招待参加を受けたり、可能性のかけらは感じていました。
そして、ボローニャで出会った尊敬する絵本作家の方が病と闘っていることを知り、まだ私は挑戦しきっていないのでは……と、おはなしを描き直して、翌々年、再チャレンジしたんです。そのおはなしが『海を飛ぶたね』でした。


習作を重ねた、制作ラフ。

───すごいバイタリティーですね。

しかし『海を飛ぶたね』も、ボローニャで出版したいと言ってくださった編集者もいましたが、「セラピー絵本」という前例の無さがハードルとなり、契約にまではいたりませんでした。「書店のどこのコーナーにおけば良いの?」と、言われたりしました。それでも、どうしてもアートセラピー絵本として出版したいと思っていたので、セラピーの学校が紹介してくださった日本の出版社さんにお世話になり、出版が実現することになりました。今年のボローニャブックフェアに、出版された絵本として出展したところ、イタリアの本屋さんが買いたいと言ってくださいました。現在、ニューヨークの本屋さんでもお取り扱い頂いているので、バイリンガル絵本にした甲斐がありました。

───『海を飛ぶたね』は、オレンジ色の木の実から生まれた種が主人公。種は女の子と出会い、顔を描いてもらい、洋服を着て、種の人形になります。「ふしぎなたね」よりも、ストーリー性を感じました。

「ふしぎなたね」のワークショップを通して、アートセラピーの作用を実感していくことができたので、絵本を読んだ方にも少しでもアートセラピーを楽しんでいただけるよう、工夫を凝らしました。
読んだ方がどのように感じるかは、もちろん、読む方の自由です。読むときによっても感じ方は変わるでしょう。ほんの一つの側面として、例えば、この種の人形がたどる道筋は、「自分探しの旅」や「人生」に通じるかもしれません。そして、女の子の家から種の人形を連れ去ってしまう「カラス」は、人生における「不測の事態」や「困難」と、とらえることができるかもしれません。


原画を見せていただきました。

───なるほど……。カラスに連れ去られ、海に落ちてしまった人形は、自分は何者なのか自問自答しますね。そして、自分が本当は「種」であることを思い出します。

これは、「自己の発見」や「自己肯定」と考えていただけるかもしれません。そして、最後は自分で芽を出し、根を張り、葉を伸ばし、実をつけると、ほかの生き物たちがその木の周りに集まってきます。誰かのために生きる「人形」としての生き方を捨て、自分のために生きる生き方を選択したことで、種が自分の「人生」を全うすることができるという見方ができるかもしれません。

───子どもだけでなく、大人にも伝わるメッセージが込められているんですね。

はい。おはなしができた後も、ワークショップに来る子どもや大人に何度も見せて、おはなしをどんどんブラッシュアップさせていきました。

───主人公の種には、特定の植物や実などイメージはあるのですか?

これは、私が子どもの頃愛読していた、恐竜マンガに出てきた、首の長い恐竜が食べていた実をモデルにしています。何の実なのかは分からないのですが、子ども心にとても美味しそうで、何度も何度も繰り返しそのページを眺めては味を想像してニヤニヤしていて、ずっと記憶に残っていました。

───リスをはじめ、サルやカメなど、いろいろな動物がこの実を美味しそうに食べていますね。絵には、にじみなどをとても効果的に使って、波の動きや空の鮮やかさが描かれていると思いました。画材は何を使用されているのですか?

大学時代、日本画を専攻していたので、和紙を使って描いています。ただ、和紙に絵の具を塗るのではなく、まず、水彩絵の具を使って和紙を染めています。紙に、水を引いて、上からいろいろな色の絵の具を載せていきます。すると、絵の具同士が混ざりあい、独特のにじみと重なりが生まれるのです。私自身、制作中は完成形が見えず、感覚だけが頼りの面白い染め方なのですが、そうして土台となる紙を作ってから、絵を描いています。


原画の裏側を見せてもらいました。

───この原画の複雑な混ざり具合は、和紙を染めたことで表現されているんですね。

私は、日本の四季折々の、繊細で風流な色合いが好きなので、絵本を手にする子どもたちに、赤、青、黄色といった分かりやすい原色だけでなく、日本古来の曖昧な色や、季節のうつろいのような和のエッセンスも感じてほしいと思い、この手法を選びました。

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暁(あかつき)

  • アートセラピーで、子どもとのコミュニケーションがスムーズになったことに感動し、アートセラピーワークショップを定期的に開催。絵本を活用したアート遊びを探求中。

作品紹介

海を飛ぶたね
作:暁〜Akatsuki〜
出版社:メディアイランド
全ページためしよみ
年齢別絵本セット