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絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  『1日7分の絵本で子どもの頭はみるみる良くなる!』浜島代志子さん×金柿秀幸(絵本ナビ代表)対談

『1日7分の絵本で子どもの頭はみるみる良くなる!』浜島代志子さん×金柿秀幸(絵本ナビ代表)対談

49年間で延べ423万人以上に絵本教育を実践してきたという「絵本ばあちゃん」こと、浜島代志子さんがこの度『1日7分の絵本で子どもの頭はみるみる良くなる!』(すばる舎)を出版しました。出版を記念して行われた絵本ナビ代表・金柿秀幸との対談で、実は「エリック・カールさんの絵本が大好き」という共通点があることがわかり……。それぞれの立場から長年絵本に関わってきた2人が、子どもの成長と絵本について語ります。

1日7分の絵本で子どもの頭はみるみる良くなる!
著:浜島代志子
出版社:すばる舎

1日1冊の絵本習慣で一生の土台が築けます!──49年423万人の親子に絵本教育をしてきた「絵本ばあちゃん」が教える! 絵本の読み聞かせで子どもの脳と心を育てる方法。0歳から6歳までに読み聞かせたい「厳選絵本リスト210冊」も収録! 小学校に上がる6歳までは脳がグングン成長する黄金期。塾や教材でムリに詰め込まず、「絵本の読み聞かせ」で子どもの頭と心に好奇心のタネをまいてください。6歳までの「絵本貯金」で子どもの将来は安泰なのです!

1日7分の絵本で、子どもの心がのびのびするから、脳が育つ。

金柿:よろしくお願いします。ぼくも子どもがいますので、きょうは親としての立場と、絵本のお話会などをしてきた経験からお話しつつ、浜島さんのお話をうかがえたらいいなと思います。

浜島:よろしくお願いします。

金柿:浜島さんは「松戸市おはなしキャラバン」や劇団の活動をとおして、長年、絵本を子どもたちに読み聞かせされているんですよね。

浜島:「対話式・読み聞かせ」と言って、1人1人にむかって声をかけ、子どもたちの声に答えながら、一緒に「絵本」の体験をするんです。この読み方をすると、子どもの心が自由でのびのびします。ぼーっと聞き流したりしません。主体的に考えようとするから、知的好奇心が育ちますし、脳が活発に動くようになるんですよ。
『1日7分の絵本で子どもの頭はみるみる良くなる!』という本を書かせていただきましたが、この本には、今までの読み聞かせをとおして、子どもたちに学ばせてもらったエッセンスがぜんぶ入っています。


浜島代志子さん

金柿:子どもから学ぶことは多いですよね。ぼくは、パパ’s絵本プロジェクト(*)というお父さんたちのチームをつくって、全国でお話会をしているので、「絵本の正しい読み方を教えてほしい」と聞かれることがあります。「子どもが途中でページをめくりたがってちゃんとお話が読めないんです」とか、「読んでいると話しかけてくるんです」とか、悩んでいるお父さん、お母さん方がけっこういらっしゃるみたいで。

(*パパ’s絵本プロジェクト…2003年に仕事で知り合った育児中の男性たちが、育児の話や、子どもに読んできた絵本の話で盛り上がり「一緒に何かやろう」とスタート。全国で絵本の読み聞かせ、お話会などを行っている。)


絵本ナビ代表・金柿

浜島:みなさん、一生懸命ですよね。子どもが途中でめくったっていいんですよ。「黙って静かに聞きなさい」「途中で口をはさんではいけない」なんて言いながら絵本を読んでもぜんぜんおもしろくないし、子どもは息が詰まっちゃいますよ。「そうね」「そう思うのね」と寄り添って、親が遊び心をもって、余裕の心でいることが大事です。

金柿:読むときの姿勢についても、よく聞かれます。「寝転がって読まないほうがいいんじゃないか」とか…。僕自身は娘が小さいときはひざに抱いて読んでいましたが、寝転がって読んでもいいと思いますよ、と答えるんですが。

浜島:親御さんとお子さんがリラックスできる状態なら何でもいいの。ソファで横並びでもいいし、おんぶして背中の子に読んだっていいんです。


「もくじ」より。


第1章「絵本の読み聞かせで子どもの才能が開花する!」より。

金柿:ぼくは『幸せの絵本』(SBクリエイティブ)という絵本ガイドブックを出しているのですが、その中でこんなふうに書いています。「わたしたちは、絵本というモノが欲しいのではありません。絵本を通じて得られる「幸せな時間」が欲しいのです」と。

浜島:本当にそのとおり。本の題名に「子どもの頭がみるみる良くなる」とありますけど、「頭が良くなる」のってどんなときだと思います? 苦しい思いをしたときはイヤな思い出しか残りませんよね。楽しい思いをしたときにこそ、脳が活発にうごくそうですよ。だから絵本タイムは楽しむことがいちばん大事なんです。笑顔が大事。コミュニケーションが大事。怒ったり脅したりしながら読んじゃダメ。お母さんにビシッと否定されたら、子どもは心を貝みたいに閉ざしてしまいますからね。

1日7分、7分というのは、1冊の絵本を読むのにかかるだいたいの時間です。巻末には、年齢別のおすすめ絵本リストを掲載しています。目安になる所要時間も書いてあるので、参考にしていただければと思います。


「0歳のときに読み聞かせたい!頭が良くなる絵本厳選30冊」の項目より。


『じゃあじゃあびりびり』4分、『ぴょーん』3分など、目安となる読み聞かせ時間が記されています。

金柿:たった7分でも、積み重ねればすごい数になりますね。

浜島: 6歳までに3000冊読み聞かせましょう、と本では書いています。3000冊って、すごい数に思えますけど、7年で割ると、1年で約430冊です。1年は365日ですから、平均すると1日に1.2冊。読めない日は、週末に数冊まとめて読んでもいい。同じ本を2回読んでもいいんです。そう考えると「できそうだな」と思いませんか。

子育て中は、お父さんもお母さんも忙しくて、大変です。でも絵本は、子どもにとって心の食事です。体のための食事がなくては生きられないのと同じで、心のための食事をなくすことはできません。
幼い頃から絵本や物語のシャワーをたっぷりあびていると、勉強が急に難しくなると言われる、小学校4年生の分岐点で、無理なく壁を越えていけるんですよ。絵本をぐんぐん吸収し、血となり肉となれば、将来どんな科目にも対応できるようになります。それだけじゃなく、絵本を読んでもらうことで愛情をいっぱい感じて育った子には、「生きる力」が育まれます。

金柿:毎晩20分だと「できるかなー…」と悩みますが、7分なら、何とかなりそうな気がしますよね。
ぼくは32歳のとき、娘の誕生をきっかけに、それまで働いていた会社をやめて、今の絵本の仕事をはじめました。最初は木造アパートで、ひとりではじめました。

浜島:それまでは、会社で猛烈に働いていたんでしょう?

金柿:シンクタンクで、コンピューターのシステム関係の仕事をしていたこともあって、なかなか家には帰れず、帰宅はいつも夜中でした。自分は一生懸命仕事をしていても、ふと気づくと、家族は誰も喜んでくれていない。

浜島:かわいそう(笑)。

金柿:このままではいけないと思って会社をやめて、半年ほど育児に専念しました。今思えばなかなか無謀ですが(笑)、絵本ナビを設立したのは娘が生まれて半年経った頃です。
実は、絵本との出会いは、エリック・カールさんの作品がきっかけになっています。『1日7分の絵本で子どもの頭はみるみる良くなる!』のおすすめ絵本の中に、エリック・カールの絵本がたくさん選ばれていて、個人的にすごく嬉しかったです。

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浜島代志子(はましま・よしこ)

  • インドネシア、ジャカルタ生まれ。神戸大学文学部国文学科卒。中学国語科教諭を 経て、松戸市に住む。松戸に図書館を設立する運動、図書館運営ののち、おはなし専門団体「松戸市おはなしキャラバン」を設立。1995 年から「劇団天童」を設立し、全国で公演、指導を展開。2014 年、えほん教育協会設立。子どもの成長過程における絵本の重要性を訴え、これまで 49 年間で延べ 423 万人に絵本教育を実践してきた。
    現在も、絵本実演、講座、講演、執筆、絵本講師育成、オリジナル絵本の出版など、 多岐にわたって、絵本教育の普及に励んでいる。著書には、『えほん育児学のすすめ』『ママ おはなし もっとして 1 ~ 3』『やさしい 人形劇 No.1 ~ No.4』(以上、偕成社)、『おはなし上手は子育て上手』『昔ばなしは今ばなし』(以上、大月書店)、『絵本があれば だいじょうぶ!』(じゃこめてい出版)など多数。えほん教育協会会長。絵本読み語りアカデミー総長。元郡山女子大学短期大学部講師。
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