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絵本ナビスタッフ便り 6月

絵本ナビ編集部

2015/06/12

【新刊絵本ピックアップ】「ともだちっていいな」と思える3冊!

【新刊絵本ピックアップ】「ともだちっていいな」と思える3冊!

注目の新作絵本の中から、「ともだちっていいな」と思える作品3冊をピックアップします!

■ 赤いチョッキのねずみくん。 41年目を迎えた今年もますます元気!

ちっちゃな ねずみくん ちっちゃな ねずみくん」 作:なかえ よしを
絵:上野 紀子
出版社:ポプラ社

小石につまずいたぞうさんが「おっとっとっと」、
思わず小さなねずみくんのしっぽをふんでしまった!
「ギャ〜」
これは痛そうです。ぞうさん、ねずみくんが小さくて見えなかったんだって。
だけど、ねずみくんはぞうさんの心配。「あし、だいじょうぶ?」
さらに「ぼくがちいさくて、めだたないからいけないんだ」と、ねずみくんはしょんぼり。

確かにねずみくんは小さいね。
プードルさんやパンダさんは、ねずみくんよりずっと大きくて個性的で目立ってる。
もっと大きなお友だちもいるよ。
「みんな りっぱで かっこよくて いいなあ!」
だけど、ぞうさんは気がついていたんですよ。
いちばん大きくてりっぱなのはね・・・。

ねずみくんとお友だちの日常のさりげないやり取りの中から、
いろんな大切なことを発見できるのが「ねずみくん」シリーズの魅力!
32作目は、ねずみくんのことをもっと好きになっちゃうお話ですよ。

■ 相手が好きだからこそ、思いがすれちがうこともあるんだね

ともだちって だれのこと? ともだちって だれのこと?」 作:岩瀬 成子
絵:中沢 美帆
出版社:佼成出版社

いちばんの仲良しだと思っていたのに。
ちょっとしたことがきっかけで、なんでこんなにも不安になってしまうのでしょう。
あんなに自信満々だったのに、突然、相手の考えていることがわからなくなって、胸がざわざわして落ち着かない。そうなると、ますますいろいろなことを考えすぎて・・・。

この絵本のネズミもそう。
友だちのテンの家にあそびにいくと、テンは留守でした。
ドアの貼り紙には「ともだちのうちにいくのでいえをるすにします」と書いてありました。だから、ネズミはなんの疑いもなく、いちばんの友だちの自分の家にテンが遊びにくるのだと思いました。

走って家に帰って、テンを待ちます。
でも、テンは姿を現しません。
その時、ネズミははじめてテンのいう「ともだち」は自分じゃないのかもしれないと傷つきます。じゃあ、だれがテンのいう友だちなんだろう。森に住むほかの仲間たちのことを想像しながら、ますます不安になるネズミ。ネズミはいてもたってもいられなくなってテンを探しにいくのです。

児童文学作家の岩瀬成子さんは、子どもの繊細な心の揺らぎを丁寧に汲み取った作品を数多く世に送り出しています。優しい言葉でネズミの気持ちを代弁してくれます。今回初の絵本作品となった中沢美帆さんが絵を担当。それぞれの生活を大切に営む動物たちとその暮らしを支える静かな森を温かく描いています。

ネズミは、テンに出会えたでしょうか。テンがいう「ともだち」は誰だったのでしょう。
読み終わったあと自然と優しい気持ちになり、友だちに会いたくなる素敵な絵本です。

■ 「ぼくのことなんか忘れちゃっているんだろうな。」 でも・・・?

うれしいやくそく うれしいやくそく」 作:くすのき しげのり
絵:いしい つとむ
出版社:あかつき教育図書

今日はわくわくやまに遠足に行く日。
とびきり楽しい遠足にしようと、みんなで約束していました。
ところが・・・キツネくんは、家にいます。
足をケガしてしまって、遠足に行くことができないのです。

(わくわくやまは、どんなだろう)
(みんなは、なにして、あそぶんだろう)
(きっと、やすんでいる ぼくのことなんか、わすれちゃうくらいたのしいんだろうな)

子どもたちにとって遠足は、行くずっと前から楽しみにしているイベントです。
キツネくんは、どれほどさびしい気持ちでいることでしょう。

その頃、みんなはわくわくやまへ。空は青く高く、心地よい風が吹き、とっても気持ちが良さそうです。みんなでお弁当を食べたり、きいちごを見つけたり。花輪をつくったり、冷たくておいしいわきみずを飲んでみたり。楽しい時間を過ごしているようです。
でも、その帰り道。
「さようなら」
そう言った後に、みんなが向かったところは?

遠足を楽しんでいる時だって、みんなはキツネくんのことを忘れてなんかいなかったのです。キツネくんにもこの楽しみをわけてあげたい、おんなじ気持です。それぞれが持って帰ってきたおすそわけ。そこには、ともだちを思いやる優しい心がつまっていましたよ。


絵本ナビ編集部

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