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新着レビューピックアップ!

2016/03/31

男、なんですが、 シリーズのなかで、なぜかこの「ちこく姫」が一番好き。

男、なんですが、 シリーズのなかで、なぜかこの「ちこく姫」が一番好き。

気になる新着レビューをご紹介します。
今回ご紹介する作品は…?

■ 「ガラスの仮面」的な展開。『ちこく姫』

★★★★

Tamiさん 40代・ママ 男の子5歳
息子が3〜4歳のころ、このシリーズにはまって繰り返し読みました。
男、なんですが、
シリーズのなかで、なぜかこの「ちこく姫」が一番好き。
なぜだかは母にもわかりません。

なぜ、遅刻をしたらいけないのか、を、
待っている友達の気持ちを伝えることで、
主人公や読者にわからせてくれます。
よい内容だとは思います。

でも。息子が一番喜んでいたのは、
たぶん、女子たちの話し方。
少女漫画に出てくるお嬢様のような話し方をするのです。
「〜でもよくってよ」
などというやつです。
これをずいぶん気に入って、日常遣いしていました。

そして、気の強い女子たちが、
白雪姫の役を取りあうという超古典的なストーリー展開。
アラフォーの母としては、「ガラスの仮面」を連想させ、
懐かしい気分を味わえました。

ちこく姫 ちこく姫」 作:よしながこうたく 出版社:好学社

学習発表会の配役決めの日にちこくしたまどかたちのせいで、1年2組は全員わき役になってしまいます。落ち込むクラスのみんなに「わたしがみんなを主役にしてみせるから」とまどかは宣言します。食育から、あいさつ、お掃除、生きものへの思いやり、時間厳守の大切さまで、笑って泣いて、楽しく学べる小学校絵本の決定版給食番長シリーズ! 大好評の博多弁バイリンガル絵本です。


小学校絵本の決定版、大人気「給食番長」シリーズ第5弾の主人公はなんと女の子。
キーン コ〜ン カーン コ〜ン
わんぱく小学校のチャイムが鳴った時、まどかはまだ通学路を走っています。
忘れ物を取りに帰ってたら、遅くなっちゃったのです。
どうやら番長たちもやっぱりのんびりしています。
「なにやってるの、みんな!今日は、絶対にちこくしちゃだめなのよ」

・・・そうなのです。今日は普通の日じゃないのです。
学習発表会の劇の役を決める大事な日。1年生がみんな集まっているのです。
残念ながら遅刻してしまったまどかと番長たちは、1組の女番長ちよこに言い放たれます。
「バツとして、ちこくした2組は 全員 わき役よ!!」
えーー、きびしい! ちょっと遅れただけなのに。わざと遅れたわけじゃないのに。
だけれどもちよこの意見はゆるぎません。
落ち込む2組のみんなに声をかけたのはまどか。
「わたしがみんなを主役にしてみせるから」
いったいどういうことでしょう?

給食、飼育、あいさつ、おそうじ。「給食番長」シリーズが教えてくれたことは、どれも大切なことばかり。そして、今回も泣いたり怒ったり、落ち込んだり笑ったり、子どもたちがめまぐるしく表情をかえながら教えてくれるのは「時間を守る大切さ」。
これって・・・大人になっても忘れちゃっている人、いるよね。
どうして大切なのか、この絵本ではちゃんと丁寧に熱く教えてくれるのです。
小学校ってやっぱり楽しい! そんな風に思える子どもたちが増えますように。

ちよことまどか、女の子同士の友情物語もなかなか粋ですよ。
博多弁バイリンガル絵本です。

(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

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絵本ナビ編集部

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