本書は、ドラッカー氏の『「経済人」の終わり』に述べられた「正当保守主義」という思想に触発され、著者の地元・大阪府政と社会の現況を分析、めざすべき方向性を提言する。「維新の会」の全体主義的な府政によって、大阪は深い混乱に陥りつつある。実際、府民はパフォーマンス力の高い彼らに大いに期待し、「政治的な熱狂」が横行している向きがある。しかし、府民自らがこの「熱狂」の問題点、言い換えるなら「革新」や「革命」を掲げて既存の体制をむやみに打ち砕こうとする一連の破壊行為の問題点を理解し、「正当保守主義」、すなわち、「イノベーション」と「マーケティング」によって社会を保存し、発展させることが、いま早急に求められている。大阪府政から見えてきた課題は、決して大阪府だけの課題ではなく、日本が抱えている問題点である事を指摘したい。
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