
偉大な作曲家で名ピアニスト、そして名指導者でもあったフランツ・リスト。本書は弟子であり秘書も務めたアウグスト・ゲレリヒによる師匠のマスタークラスの記録をまとめたもの。自身の作品に加えて、ショパンやシューマン、ベートーヴェンなどの作品を教えていたリストが、どのようにこれらの作品を捉えていたのか、また、同時代の作曲家との想い出話など、演奏史・音楽史の観点から貴重な証言が満載。全編をとおしてユーモアにあふれており、リストと受講生たちとの生きたやり取りを身近に感じることができる。訳者による詳細な注釈や譜例も充実。
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