10歳のときに登った茶臼岳で、山登りの楽しさを知った田部井(たべい)淳子(じゅんこ)(1939年‐2016年、福島県出身)は、結婚して出産した頃に女性だけの登山隊を結成し、世界最高峰のエベレスト登頂にねらいを定めました。スポンサーを断られる中、懸命に資金を集め、山の道具を手作りし、4年にわたる準備をして挑んだのです。岩と氷におおわれた8848.86メートルの山をものともせず、一歩ずつ、一歩ずつ。
1975年、35歳でついにエベレストの頂上に立つと、世界中の山に挑戦し、7大陸最高峰を女性で初制覇。山の環境問題、若者や被災者を支える活動にも精力的に取り組みました。
エベレスト登頂50年となる今秋には、田部井淳子をモデルとした映画が吉永小百合 主演で公開。
あきらめずに一歩一歩、前に進めば、夢はかなう。心から山を愛し、守り、山の魅力を伝えつづけたまっすぐな生き方は、今も多くの人に勇気を与えています。
女性として、母として、一人の人間として――その半生をたどる初めての伝記絵本です。
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