主人公のダニエルは頭で想像したものを絵で表現し、
写真家のお父さんと意見が合いません。
そしてダニエルは悩んでしまいます。
・・・というのが物語りの冒頭。
この本では、個性や、物事の捉え方が人と違うことに初めてぶつかる少女の心の葛藤を、「絵」というテーマをモチーフに描いています。
私自身も、大人になった今でも、他人と意見が合わないことや、価値観の違いで悩んだりするシーンがあります。
そして子供ならなおさら、成長の過程でそれに直面し、傷ついたり悩んだりする機会がどんどん出てくるでしょう。
人にはそれぞれ個性があり、そしてただそれらを否定するのではなく、互いに尊重して受け入れていくことの美しさ。
それらを説教的にならずに、自然で繊細な絵によって前向きに表現しているすばらしい本だと思いました。
2006年小学校中学年の読書感想文コンクール推薦図書になっていましたが、大人の方にもおすすめする絵本です。