「「佐々木マキ」という名前を聞いて、みなさんはどんなイメージを思い浮かべますか?」そんな冒頭ではじまる、『佐々木マキ アナーキーなナンセンス詩人』(小原央明/編、出版社:河出書房新社)。この本の中には、『やっぱりオオカミ』(福音館書店)や『ぶたのたね』(絵本館)などを出版している人気絵本作家の佐々木マキさんだけでなく、「マンガ家」としての佐々木マキさんや「イラストレーター」の佐々木マキさんなど、デビューから現代までの佐々木マキさんの仕事が、一冊にまとめられています。そんな「佐々木マキ」にどっぷりひたれる本のおはなしを伺いに、佐々木マキさんのお宅にお邪魔しました。これを読んだらあなたも、佐々木マキマニアになれること間違いなし!
『やっぱりおおかみ』などの絵本作家、漫画家、イラストレーターと多方面で知られる佐々木マキの初の総特集。シュールでポップ、不思議だけどかわいいナンセンス・ワールドにようこそ。 佐々木マキの素敵なナンセンス・ワールドにようこそ! 佐々木マキという作家は、きわめて多彩な表情を持っています。 その名前は聞く人によってさまざまに異なったイメージを呼び起こすことでしょう。 たとえば、子どものころに読んだ忘れられない絵本の作者。 あるいは1960年代末に「ガロ」でセンセーションを起こした前衛マンガ家。 はたまた村上春樹の初期小説の装画なども手掛けるイラストレーター……。 本書は、多様な分野で活躍する佐々木マキの仕事を一望する、画期的な入門書です。 また、未発表のイラストや資料も多数収録した、貴重な作品集でもあります。
●どれだけ知ってる? 佐々木マキクイズ!
『佐々木マキ アナーキーなナンセンス詩人』に出てくる佐々木マキさんのデビューから現在までの軌跡をクイズ形式で紹介します。あなたは何問、答えられますか?
Q1.佐々木マキさんは男性? 女性?
A.男性です。
名前から女性と思われている読者も多いのですが、佐々木マキさんは男性です。
Q2.佐々木マキさんのデビュー作は、絵本?
A.マンガです。
1966年、「ガロ」(青林堂)というマンガ雑誌に投稿マンガ「よくあるはなし」が掲載され、マンガ家としてデビューしました。実験的ともいえる、スタイリッシュで前衛的な作風は、多くの読者を魅了しました。佐々木マキさんが絵本作家としてデビューしたのは1973年です。
Q3.佐々木マキさんの絵本作家としてのデビュー作は?
A.『やっぱりオオカミ』(福音館書店)
真っ黒なシルエットに「け」としか発しない、なんとも印象的なオオカミの絵本が佐々木マキさんのデビュー作。でも、実は「ガロ」で発表していたまんがの中に、このオオカミも登場しているのです。

……いかがでしたか? 「全部知っていた!」という方もいるかもしれません。でも、この『佐々木マキ アナーキーなナンセンス詩人』の中には、まだまだ知られていない「佐々木マキ」の作品やエピソードがたっぷり入っています。貴重な内容をちょっとお見せしちゃいますね。
デビュー前の未発表原画や……。
「宝島」で連載をしていた表紙。
貴重なアトリエ風景も載っています。
それでは、次のページから、佐々木マキさんのインタビュースタートです。