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絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  降矢奈々×フィリップ・ジョルダーノ展&『黄いろのトマト』降矢奈々さんインタビュー

───『黄いろのトマト』の原画を間近で全て見ることのできる展覧会が開催されるとお伺いしました!その展覧会についてもお話をお聞かせください。
「コニカミノルタプラザ特別企画展 降矢奈々×フィリップ・ジョルダーノ展」今回はスロバキアに在住されている降矢さんと、日本で活動を展開されているイタリア人作家フィリップ・ジョルダーノさん、お二人の展覧会になるとのこと。
生まれ育った国を離れて創作活動をされているお二人の組み合わせ・・という部分にとても興味をひかれます。お二人の出会いを教えていただけますか?また、降矢さんの視点でフィリップ・ジョルダーノさんをご紹介いただけますか?

出会いといっても、直接お会いしたのはボローニャで一回だけです。
フィリップさんは、3.11の震災後、私が立ち上げた「手から手へ」展にイタリアから参加してくれた一人です。日本でボローニャ絵本原画展を開いている板橋区立美術館の方やその関係の友人から紹介してもらいました。

私の実家は、東京の国立市です。フィリップさんは日本に来てからある時期国立に住んでいたみたいなのです。SM賞を受賞された後日本に来たと聞いてますから、早くても2010年の夏くらいから日本に住み始めた。それなのに、去年実家に帰ったら、国立の街の中にもうたくさんのフィリップ・ファンがいるのです。その後別のところに引っ越されたそうですが、東京のあちこちに着実にフィリップ・ファンが増えている。フィリップ、おそるべし・・と思いました。
私なんか、スロバキア生活長いですが、そこでの生活に入り込んでいくより、自分のテリトリーを守りたいアナグマ生活になっています。作品の力と人柄で、こうやって異国の地に入り込んでいける。フィリップさんはそういう人なのだと思います。

───どんな展示内容になりますか?みどころを教えてください。

フィリップさんは積極的に日本をモチーフに作品を制作しています。私自身、彼の作品をちゃんと観るのはこの展覧会が初めてなのです。日本以外の国で生まれ育ち、若くシャープな感覚を持ったフィリップさんが、日本の物語をどのように「絵」にしているのか、とても興味があります。
会場で原画全点が展示されるSM賞を受賞された作品「かぐや姫」は、見ごたえのある作品です。これは彼がまだイタリアにいた頃の作品です。そして日本で暮らすようになってから制作された新作。これらの作品の中に彼の変化を見ることができるかもしれません。
私の展示は、絵本原画としてスロバキアに行く前の作品から最新作まで展示します。新作は『黄いろのトマト』で、全点展示します。絵本は絵本としてそれが完成品ですが、絵の具の質感や発色、筆のタッチなど、原画でしか見られないものを見ていただけたら嬉しいです。それから絵本以外の作品も何点か並べます。この展覧会用に制作した大きな絵も展示します。

───この展覧会は、降矢さんの呼びかけによって東日本大震災以降に動き出した「手から手へ展 絵本作家から子どもたちへ3.11以降のメッセージ」の関連企画だと伺いました。読者の方や絵本ナビユーザーへのメッセージがあればお願いします。

3.11の震災、そして原発事故から約2年8ヶ月が過ぎようとしています。未だに津波被災地では復興作業が続き、住民は不自由な暮らしを続けています。福島第一原発でも、未だにメルトスルーした核燃料の位置も状態も分からず、たくさんの作業員が高放射線量の中で働いています。放射能汚染は、確実に大地へ海へ広がり続けています。にもかかわらず、日本国内の多くの人たちは、この事実から目をそらし思考停止して、忘れたがっているように、私には見えます。このまま考えることを止めてしまった時、この国の未来はどうなっていくのか、不安です。
3.11を忘れないでください。忘れようとしないでください。
10月26日から横浜の新聞博物館で「手から手へ展」が始まります。国内外110人の絵本作家が、震災後に描いた作品とメッセージを展示しています。これから育っていく子ども達の未来を守るために、3.11から目をそらさず、ひとりひとりが考えていきましょうと。これまで絵本をとおして子ども達と向き合ってきた絵本作家ならではのメッセージです。
どうぞ横浜に「手から手へ展」を観に来てください。

───ありがとうございました!

インタビュー: 磯崎園子 (絵本ナビ編集長)

「異郷の絵本作家たち 降矢奈々×フィリップ・ジョルダーノ展」

スロバキア在住の絵本作家 降矢奈々と、日本で活動するイタリア人作家 フィリップ・ジョルダーノ。それぞれが異郷に生きる理由も時代背景も異なりますが、違う文化、社会に適応しながら精力的に創作を継続している二人の展覧会です。

2013年11月1日(金)〜15日(金) 10:30〜19:00
期間中無休/最終日は15:00まで

主催:コニカミノルタ株式会社 後援:スロバキア共和国大使館、イタリア文化会館 ロゴイタリア文化会館、新宿区教育委員会、一般社団法人日本国際児童図書評議会(JBBY)、一般財団法人出版文化産業振興財団、公益財団法人東京子ども図書館、絵本学会 協力:ちひろ美術館、三起商行株式会社(ミキハウス)、手から手へ実行委員会

展覧会HPはこちら

●展示内容

<降矢奈々の作品 約55点>

【初公開】
絵本最新作『黄いろのトマト』(宮沢賢治作 2013年10月ミキハウスより刊行)の原画を全点展示いたします。
【代表作品の原画】
これまで出版された絵本から特に人気の高い作品の原画を数点ずつご紹介します。『いそっぷのおはなし』(グランまま社)『ききみみずきん』(岩崎書店)『なみちかのきのこがり』(童心社)『ともだちおまじない』(偕成社)『ともだちごっこ』(偕成社)他

<フィリップ・ジョルダーノの作品 約40点>

フィリップ・ジョルダーノ
1980年イタリア・チェッレ生まれ、東京在住。イラストレーター。スイス人の父、フィリピン人の母をもつ。ミラノのブレラ美術学校に通った後、 IEDヨーロッパデザイン学校で勉強し、トリノでアニメ制作技術のマスターコースを修了。2004年のボローニャ国際絵本原画展入選をきっかけに、児童書の仕事を開始。雑誌や書籍のイラストレーション、おもちゃのデザイン、アニメーションなどの仕事も手がける。絵本は日本、フランス、南アメリカ、 イギリス、中国、スペイン、ポルトガルなどに翻訳出版されている。

■2010年第1回SM出版賞を受賞、賞金とSM出版から絵本を出版する権利を与えられ、制作したのが日本の『かぐやひめ』でした。今回、この絵本の原画をすべて展示いたします。
■板にアクリル絵具で描いた作品やシルクスクリーンやCGを使ってさまざまな生き物を描いた作品を、新作を含んでご紹介します。自然を愛し日本の神秘性に興味を抱いて制作された作品は、どれもが美しくきれいな線で描かれているのが特徴です。

●イベント

降矢奈々 トークショー
「降矢奈々の絵本作りとスロバキアの暮らし」

聞き手:広松由希子(絵本家)
【日時】2013年11月2日(土)14:00〜
【場所】コニカミノルタプラザイベントスペース
【参加費】無料
【定員】最大50名
※申し込み方法、詳細は展覧会HPをご覧ください。

フィリップ・ジョルダーノ ワークショップ
「グリーティングカードを作ろう」

【日時】2013年11月10日(日)1回目13:00〜 / 2回目15:30〜
【場所】コニカミノルタプラザイベントスペース
【参加費】無料
【定員】最大15名
【対象年齢】小学生以上
(小学生のお子様は保護者同伴が必要となります)
※申し込み方法、詳細は展覧会HPをご覧ください。

●企画展PR動画

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降矢 なな(ふりやなな)

  • 1961年東京生まれ。スロヴァキア共和国のブラチスラヴァ美術大学で石版画を学ぶ。作品に『めっきらもっきらどおんどん』『ちょろりんのすてきなセーター』『きょだいなきょだいな』『おっきょちゃんとかっぱ』『まゆとおに』(以上福音館書店刊)、『ともだちやシリーズ』(偕成社刊)、『赤いくつ』(女子パウロ会)、『もめんのろばさん』(ポプラ社)他多数。

作品紹介

宮沢賢治の絵本 黄いろのトマト
作:宮沢 賢治
絵:降矢 なな
出版社:三起商行(ミキハウス)
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年齢別絵本セット