ことばの豊かな子をそだてる くもんのうた200えほん ことばの豊かな子をそだてる くもんのうた200えほん
監修: 公文教育研究会  出版社: くもん出版
KUMONが大切にしてきた「うた200」の知恵をご家庭で! 人気の童謡から手遊びうたまで、親子で楽しく歌える200曲を収録。
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「とらちゃん」は昔飼っていたハムスターがモデル!

─── 動物は好きですか?

島田ゆか さん好きです。以前は犬やハムスターを飼っていました。子どもの頃はウサギや猫を飼っていたこともあります。そういえば私の絵本にはほとんど猫が登場していないですね。特に犬派というわけでもないのですが…。
動物って見ていると面白いですよね。私は「とらちゃん」というハムスターを飼っていたのですが、ある朝とらちゃんの小屋の中にシクラメンの葉っぱが一枚入っていて、なぜこんなところにシクラメンの葉っぱが…?と(笑)とらちゃんはいつも通りの場所で寝ているし、小屋の入口も閉まっているのに。もう一度小屋をよく見てみると、組み立て式の寝床の部品が一カ所だけ外れてすき間ができていました。どうやらそこから脱走したようです。せっかく自由の身になったのに、ひとしきり夜中の散歩を楽しんで、おみやげを手に入れたら朝までには小屋に戻り、いつもの狭い寝床で丸くなって寝ている。自分の居場所を決めてきちんと生活しているんだなぁ…と妙に感心してしまいました。

─── かわいい!そのまま絵本のキャラクターになりそうなエピソードですね。

私はこれまでハムスターを三匹飼ったことがあるのですが、絵本に出て来るハムスターの「とらちゃん」はその三匹を全部合わせた感じです。
あんなにちっちゃいのに、 しっかり手でモノをつかんで上手に殻をむいて食べるし、毎日運動するし、運動したらちょっと休むし、寝床は居心地よく整えるだけでなく時々掃除もするし。いろんなことを考えて生きているんだな、面白いなと。

─── 現在も、何か飼っていらっしゃるのでしょうか?

今カナダでは動物は何も飼っていませんが、あたたかい日に林の中を散歩をしていてふっと木の上を見ると、たまにアライグマやヤマアラシが足をでろんと伸ばして寝ているのに出会ったりもします。動物も人も自然の中で同じように生きているんだなと思いますね。

─── 『バムとケロのにちようび』でたくさんの蛾が出てきますね。『バムとケロのそらのたび』でもりんごやまのほらあなに虫がうじゃうじゃ・・。今回もかわいい虫が登場します。虫がお好きなんでしょうか(笑)。

虫は正直好きじゃないです(笑)。蛾もイモ虫も嫌いなんですけど、描くのは結構大丈夫。イモ虫や毛虫があんなにたくさんいたらぎょっとしますよね。昔、私の実家の裏にある桜の木に、いっぱい毛虫がたかるという恐ろしい事がありました。すぐに業者の人が来て駆除のために木に薬を撒いたんです。そうしたら桜に群がっていた毛虫がボトボトボトッと下に落ちて…。たまたまそこを通る人は薬が撒かれたことを知らないので、涼しい顔でその木の下を通って行く…。その光景があまりにも衝撃的で忘れられず、思わず絵に描きました(笑)。絵本の中ではカラフルな虫たちですが、実際には黒くて長い恐ろしい毛虫でした。ああいう光景は絵本の中だけのことであって欲しいです(笑)。

新作が完成するまで

─── 新作でいちばん大変だったのはどんなところですか。

全部大変だったんですけど…。森のシーンで葉っぱを一枚一枚描くのも大変だったし。でも「こや」を外側から見たシーンがとにかく今回は一番大変でした。実際には存在しないものをいろんな角度から描かなくてはいけなかったので。こちら側から見たらどういうふうに見えるのか、外の木はどういうふうに見えるのか、茂みはどこに来るのか、とか。そういうのがなかなかうまく描けなくて、手が止まってしまうこともありました。同じようで微妙に違う「こや」のシーンが何回も出てくるので、その度に「あぁ、また…(ため息)」という感じで。でも、そのシーンがないと話が進まないので何とか頑張りました。
実際のツリーハウスは遠くからしか見たことがなかったので、まずはツリーハウスの本を買いました。その中で気に入った小屋と、私の想像の中の小屋を組み合わせて「もりのこや」の全体像を作りました。本には他にも折りたたみ式のベッドや、ハシゴを伝って下りる非常口などのことが載っていて、これは絶対必要!と思われるものを「こや」用にアレンジしてどんどん加えていきました。

バムとケロのもりのこや

─── 今回は仕上がりまでにおおよそ5年ということですが、制作のどの段階でいちばん時間がかかりましたか?

構想よりも、下描きに入ってからの方が長かったです。実際の紙に下描きをしていく段階から結構細かく描き込むので時間がかかって、塗り始めると、途中で変更を加えたり色を決めたりするのに時間がかかって、細かいところを塗るのにもまた時間がかかって…。それから普段の生活の中でも色んな事があって、例えば買い物に行ったら変なものを見たとか、そういう小さな事がどんどん絵の中に追加されます。今回は執筆に約5年かかったので、5年分の小さな出来事も追加されたため更に時間がかかって…。

─── じっさい色を塗りはじめてから塗り終わるまでは?

3年くらいかかったのかな…(実際は4年半)。 最初に出版社に見せたラフと完成した絵本の絵は、コマ割りや絵柄が少し変わる事はありますが、基本的にはほとんど同じです。まず小さく描いたラフを拡大し、それを実際の紙に鉛筆で描いてから、製図ペンでなぞっていきます。下描き(線描き)を32ページ分全部やったら、最初のページに戻って順に色を塗っていきます。画材は水彩ガッシュ。私は構想から下描きまでにかかる時間が長いので、色塗りの作業に入るまでに絵の具の基本的な塗り方を忘れちゃうんです。どうやって塗っていたっけ…って。だから新作の最初のページはいつもリハビリを兼ねて…という感じ(笑)

─── お話を決めていくのは文章が先ですか、絵が先ですか? 漫画みたいなこま割りのページがあるのも特徴のひとつですね。

文章の大筋を考えるのが先ですが、話だけ考えているとなかなか終わらないんです。だからある程度まで話を作って、そこからは絵と一緒にしていきながら32ページに割って物語を完成させる、という感じです。私はもともと漫画が好きで、中学生くらいまでは漫画家になりたいと思っていました。そんな影響と、32ページではどうしても絵が入りきらない、ということでコマ割りを使うようになったのだと思います。

─── アイディアは山積みですか。描きたいことがたくさんあるとか。

山積みではないです。絵本を一冊描くのはすごく大変なんですが、描き終わると、あぁ、じゃ次描こうかなって思います。描いてる最中は「もうこれが最後かな」…なんて思うんですけどね。

─── 絵本作家になってよかったと思う瞬間はありますか。

いっぱいあります。初めて「絵本がすごく面白かった」というファンレターをもらった時は、本当にうれしくて。今も時々ファンレターをもらうのですが、私の本を読んで楽しかったとか、もっと続きが読みたいという手紙を読むと、絵本を描いて良かった、もっと描き続けなくちゃ…と思いますね。励みになります。

─── 5年間かかったこの本が終わったときの気持ちは。

どっさり肩の荷がおりて軽くなった…という感じでしょうか。あとは印刷屋さんにおまかせ!です(笑)。まだ完全には終わっていないので、絵本が無事に出版されたら、ようやくやれやれ…かな。

─── 「にちようび」からはじまったバムケロシリーズ、木曜日は「もりのこや」、つぎの金曜日のお話は?という質問をしてもいいでしょうか…(小さな声で)。
(出版社の編集者さん:もっと大きい声できいてください!)

次ですか。今のところ何も構想はないですね。でも頑張って描くようにします…。

─── ゆっくりお待ちしています!絵本ナビの読者に、最後にメッセージをお願いします。

私の本には教訓みたいなものはないので、とにかく、笑いながら楽しんで読んでいただけたらと思います。バムケロたちと一緒に、ゆっくり楽しいひと時を過ごしてもらえたら、それが一番嬉しいです。

─── ありがとうございました。
(続いて絵本ナビ読者の皆さんからの質問にも答えてくださっています! )

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本屋さんイチオシ(読売KODOMO新聞)

島田ゆか

  • 東京デザイン専門学校グラフィックデザイン科卒業。
  • パッケージデザインなどを経て、フリーに。
  • 絵本に『バムとケロのにちようび』、『バムとケロのそらのたび』、『バムとケロのさむいあさ』、『バムとケロのおかいもの』、『かばんうりのガラゴ』、『うちにかえったガラゴ』(以下文溪堂)、『かぞえておぼえるかずのえほん』(すずき出版)、『ぶーちゃんとおにいちゃん』(白泉社)がある。
  • カナダ在住。

作品紹介

バムとケロのもりのこや
作・絵:島田 ゆか
出版社:文溪堂
税込価格:¥1,575(本体価格:¥1,500)
発行日:2011年01月
ISBN:9784894237070


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