連載

新着レビューピックアップ!

2016/01/18

「図書館は楽しいところだからね〜。 借りすぎちゃうよね〜」と子どもが共感

「図書館は楽しいところだからね〜。 借りすぎちゃうよね〜」と子どもが共感

毎日届く絵本ナビユーザーの生の声!気になる新着レビューをご紹介します。
今回ご紹介する作品は…?

■ 本の魅力 『としょかんのよる』

★★★★★

ccさん 30代・ママ 男の子4歳
図書館が大好きな子どもは、
図書館が舞台の絵本も大好きです。

ねずみを食べようとしたキツネが図書館にやって来て、図書館を知らないキツネは「とちょ?」と聞き返すのですが、
とちょかんじゃないよーとそこから大笑い。

ニワトリをくわえてきて、
ネズミにニワトリの骨が喉にささるかを聞くと、
百科事典で調べたらとネズミが提案して、
本を読みながら、幸せそうに寝るキツネとニワトリ。

ニワトリに字を教えてくれるように頼んで、
キツネとニワトリが仲良くなって、
本に夢中になっていく姿に、
「図書館は楽しいところだからね〜。
借りすぎちゃうよね〜」と共感してる子ども。

この本読んでから、知らないものを見たり、
物の名前を忘れたりすると、
図鑑で探したり、確認したりするようになりました。

初めて図書館に足を踏み入れた日を覚えていますか? ずらりと並ぶ本の背を見て、「うわあ、この世の中には、たくさん本があるんだな、全部読めるかな」とワクワクした気持ちになったのではないでしょうか。

文字が読めなかったキツネは、本も図書館の存在も知りませんでした。ある日、食べてやろうと追いかけていたネズミが図書館に逃げ込み、「この絵本、おもしろいよ」と教えてくれます。なんだかおもしろそう。キツネはそっと本のページを開いてみるのでした……。

本を通して、未知の世界と楽しみを知り、どんどん好奇心がふくらみ、次の興味へとつながっていく。最初は、「おもしろい本を教えて」と言っていたキツネが、自分で新しい本をあれこれ探すようになっていく。そんなキツネの姿は、本を読む純粋な喜びそのものを思い出させてくれます。
さらに読書を通して、キツネの内面の世界だけでなく、外側の世界にも変化が起きていくようすが素敵です。

キツネが文字を読めないということに対して、ネズミがどのようなアドバイスをしたかも、見どころのひとつ。図書館にはこんな機能やサービスもあるんだよ、って教えてもらえます。もちろん図書館を使うマナーも。
この絵本を読むと、夜ひっそり静まり返った図書館で、キツネやネズミと一緒に本を読みたくなってしまいます。

(光森優子  編集者・ライター)


絵本ナビ編集部

タグ
絵本
レビュー

編集長・磯崎が新作絵本を推薦!【NEXTプラチナブック】
全ページためしよみ
年齢別絵本セット