静かな谷の片すみに、小さな毒草が生えていた。紫色の葉っぱをこわがり、小鳥も虫も決して近よらない。いつもひとりぼっちの毒草は、毎日薬草を摘みに来る小雪という娘の顔を見ることだけが楽しみだった。小雪への叶わぬ想いを抱く毒草は、自分が薬草になれない代わりに、ある決意をする。若い娘を喰う茶色オニが煮ているナベに自ら飛び込み、その毒でオニを退治しようと考えたのだ……。健気な毒草の行動を通して、自己犠牲の尊さと純粋な心を描いた、涙が溢れる絵本。
毒草は毒を持つために、いつもひとりぼっちです。
薬草を摘みにくる娘、小雪に想いを寄せていても
それはかなわぬ運命、でも、何かできることがあるはず、と・・。
自分の欠点を嘆いても仕方が無い。
その中で自分ができることは・・・。
何の役にも立たない毒草にも、小雪のためにできることがあった、
そのことが私達にエールを送ってくれているのかもしれません。
一般向けに分類されていますが、
淡い絵はその澄んだ愛の世界を伝えてくれるような気がします。 (レイラさん 30代・ママ 男の子11歳、男の子9歳)
|