「ぼく」の秘密、それは「ぼく」にしか見えないおばけの友達の存在。
おかあさんにこごとを言われたときも、学校で先生にしかられたときも、「きみはちっとも、悪くない」と言ってくれる。
いじめっこにだって、勝てる呪文をおばけは知ってる。
こんな風に自分を理解して、受け入れて、味方してくれる存在を子どもたちはもとめているんですね。いいえ、おとなだってこういう友達がいたらなぁ…と思うでしょう。
小学校の低学年向きに書かれているようですが、こういう友達の存在を渇望するようになるのは中学年ごろからでしょうか。
このおばけ実は「ぼく」の分身というか、「ぼく]自身なんじゃないでしょうか。
「ぼく」の内面の力がおばけのかたちで現れているんじゃないでしょうか。
「ぼく」が自分に潜在する能力に気づいたとき、「ぼく」はおばけの友達を必要としなくなる。でも、いまは「ぼく」もおばけもまだ子ども、「ぼく」にはおばけがまだ必要なのです。
なんじゃないでしょうか。