とっておきのあさ…どんな朝なのか色々想像しながら読み始めましたが、その想像はすべて的外れでした。
冬の夜明け前。寒い寒いそんな時間の冷たい空気が、頁から伝わってきそうな色使いにまず惹かれました。
そして母と息子の会話に衝撃が走りました。
夜明け前に仕事に出る母。駅まで見送りにいく息子。
まるで当然のようにそんな生活をしている母子の何気ない会話が心の琴線にふれます。
お父さんは入院しているようです。父に代わり、朝から夜間まで働く母親。
母を送り出し、朝食をとり、食器を洗い、猫に餌をやり、自分で学校へ行く息子。
お互いが支えあってるんだけど、それぞれがしっかりと自立している様子がひしひしと伝わってきて、その強さに胸を打たれました。
子供たちに読むというよりは大人向きかもしれません。