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【連載】せなけいこさん 絵本作家デビュー50周年おめでとう! せなさんを囲む人たちインタビュー2019/10/17 【連載】第7回 童心社 編集部 永牟田律子さんインタビュー
お子さんと一緒に、おばけや妖怪に興味を持ち、絵本のモチーフとするようになったせなけいこさん。
そんなせなさんにとって、「せなけいこ・おばけえほん」シリーズ(童心社)はライフワークのひとつでした。 1974年に『ばけものづかい』『ひとつめのくに』でスタートした本シリーズは、2019年に45周年を迎えました。 今回、童心社編集部の永牟田律子さんに、「せなけいこ・おばけえほん」シリーズの魅力や、せなさんの紙芝居についてお話を伺いました。 さらに、12月に発売を予定している、新刊絵本の極秘情報も教えていただきました。 一体、どんな絵本なのか……。それは、記事を読んでのお楽しみです。
●祝45周年! 「せなけいこ・おばけえほん」シリーズ!
―― 「せなけいこ・おばけえほん」シリーズ、45周年おめでとうございます!
ありがとうございます。 このシリーズは15作あり、特に人気の5作品は、おでかけのおともにぴったりな「ちいさな〈せなけいこ・おばけえほん〉」という小型版にもなっています。
先日、横須賀美術館のせなさんの展覧会にうかがったのですが、子どもたちがどの絵本を買ってもらうか吟味している場面に遭遇しました。
そばでこっそり見ていたら、ひとりの男の子が『どうぐのおばけ』を選んでいました。「だって、かわいいんだもん!」という言葉に、思わず笑ってしまいました。 おばけなのに「かわいい」。せなさんの絵の魅力を、その子が一言で表してくれたように思いました。
―― 「おばけなのに、かわいい」。本当に、せなさんの作品を表すのにピッタリな言葉ですね。
童心社さんは、紙芝居を多く出版されていますが、せなさんも紙芝居をたくさん作られていると伺いました。 はい。実は、紙芝居を手がけてくださったのは、絵本よりも先でした。 最初の紙芝居は1972年の『おじいさんとおばけ』(脚本・堀尾青史)で、翌年には松谷みよ子さんの名作『おさじさん』の紙芝居を刊行しています。 シンプルであたたかみのあるせなさんの貼り絵は、紙芝居でも子どもたちをひきつける力があります。
―― 『ばけものづかい』と同じ年に刊行された、『やさしいおともだち』は、フランス語版も発売されるなど、日本語以外でも人気の作品ですね。
せなさんの紙芝居を拝見すると、とても熱意をもって作品に向かわれている姿を想像することができます。
弊社が毎月発行している『母のひろば』という小冊子に、以前、せなさんがこんな言葉を寄せてくださいました。
「考えてみれば、私と童心社のおつきあいは古い。 最初は紙芝居で、子どもが二人とも保育園に通っていた頃。 保育園に入ってみると、紙芝居が子どもにとってどんなに大事な物かよくわかった」 その想いから、せなさんは紙芝居にも絵本と同じように、楽しんで向かってくださっていたのだと思います。 さまざまな紙芝居作品を観て、語り合う「紙芝居作家交流会」を弊社で開催したときにも、毎回、すてきなベレー帽姿でご参加くださいました。
おひゃくしょうの家の馬とねずみはなかよくくらしていました。ある日、馬小屋が火事になり、馬はつながじゃまでにげられません。
●原画室で見つかった作品を元に、絵本を制作中です。
―― 現在、せなさんの新刊絵本を制作中と伺ったのですが、それはどんな作品ですか?
タイトルは『いらっしゃい』。
おみせやさんごっこをモチーフにした、あかちゃん絵本です。
―― この絵本づくりがはじまったきっかけを教えてください。
きっかけは、弊社の原画室から見つかった縦62センチ、横74センチほどもある、せなさんの大きな絵でした。 原画室は、その名の通り、原画を保管しておく部屋です。 この原画室を改装するにあたり、原画室でお預かりしていた絵をすべて確認していたところ、「掛図」と書かれた包みが出てきました。 「おばけえほん」シリーズよりも、もっとずっと前から保管されていたもののようでした。
―― 「掛図」とは何ですか?
「掛図」とは、園や学校の教室に掲げて用いられる、大きな絵や図表です。 子どもたちはその絵を見ながら、みんなでその絵に描かれたテーマについて考えたり語り合ったりします。 包みを発見したときは、てっきりそういう印刷物が出てくるのかと思っていたのですが、出てきたのは原画。 しかも、見たこともないサイズの、せなさんの貼り絵でしたので、編集部のみんながとびあがって驚きました。
―― すごいお宝が発見されたのですね。今回、一部を見せていただいていますが、とてもカラフルで、かわいいですね。
そうなんです。いろいろなおみせやさんに扮した子どもたちの、「いらっしゃい いらっしゃい」という元気な声が聞こえてきそうな絵です。 ![]() 今回見つかった「掛図」の一部をご紹介します。
色とりどりの洋服や、おもしろい模様の魚など、せなさんにしか描けない、ユーモラスで個性的なものがたくさん並んでいます。
キャンディーは本当にビニールの包み紙に包まれていて、思わず手をのばしたくなってしまいます。 ![]() 絵本になって私たちの元へ届くのが待ち遠しいですね。
この絵をみたとき、すぐに絵本にしたいと思いました。
まだ、おみせやさんごっこを楽しむには早い、小さなお子さんも、絵本でなら楽しめます。 これだけ魅力的なものがならんでいれば、あかちゃんも手をのばしたくなるのではないかと……。
―― どんな絵本になるのか、とても楽しみです。
現在、12月発売に向けて、せなさんにご相談し、絵本づくりを進めています。 一度、仮の展開でダミー(試作本)をつくり、あかちゃんに見てもらったのですが、とてもいい反応でした。 1歳や2歳の子も、絵の中から自分の好きなものを見つけ、かわいい小さな手でつかもうとします。 じっくり考えてから手をのばす子、何度読んでも同じものを選ぶ子、ぜーんぶ手に入れたい子……子どもたちによっていろいろな反応がありました。
―― せなさんのいきいきとした貼り絵だからこそ、小さいお子さんも思わず手をのばしたくなるのですね。
私はせなさんと直接お仕事させていただくのは今回が初めてですが、これまで、いろいろな方から、せなさんの人となりを聞かせていただく機会がありました。 中でも、「せなさんは、子どもが大好きなものを、子どもとおんなじように本気で楽しむ人」という言葉が心に残っています。 絵本作家の和歌山静子さんがおっしゃっていたことです。 今回、絵本になる「おみせやさんごっこ」の絵からも、子どもたちのうれしい気持ちがたっぷりと伝わってきます。 たこの足一本一本に動きがあり、たくさん並んだきゅうり一本一本に表情があり、同じものでもどれにしようか選ぶのが楽しいです。 あかちゃんも、おみせやさんごっこを楽しむようになった少し大きいお兄さんやお姉さんにも、ぜひ楽しんでもらいたい絵本です。 紙芝居「せなけいこ・おばけえほん」シリーズ
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