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連載

絵本ナビのクリスマス2015

絵本ナビ編集部

2015/12/04

【クリスマスに読みたい絵本】 アンナの赤いオーバー

【クリスマスに読みたい絵本】 アンナの赤いオーバー

クリスマスまでに絵本をたくさん読みたい!
でも、どんなお話がいいかな。
そこで、クリスマスの時期に人気の絵本を1冊ずつピックアップしてご紹介します。

実話を元にしたお話です。
● アンナのオーバーを手に入れるために、お母さんは…

「戦争が終わったら、あたらしいオーバーを買ってあげようね」
アンナの古いオーバーはすりきれて小さくなってしまっていたから、去年の冬、お母さんはそう言いました。
でも戦争が終わっても、お店にものはなく、家にはお金もありませんでした。
お母さんはアンナに新しいオーバーを作るために知恵を絞ります。

おじいさんの金時計と引き換えに、お百姓さんから羊毛をもらいます。でも羊の毛を刈るのは春なので、毎週羊に会いに行って春を待ちます。
ランプと引き換えに、糸つむぎのおばあさんに羊毛を紡いでもらいます。でもおばあさんは早くつむげないので、夏まで待ちます。
紡いだ毛糸を赤く染めるために、夏の終わりにお母さんとアンナで森でコケモモも摘みます。
ガーネットのネックレスと引き換えに、はたやさんに毛糸で布地を作ってもらいます。これには二週間かかります。
最後にティーポットと引き換えに、仕立て屋さんに布地でオーバーを縫ってもらいます。寸法を測って仕立てに一週間。ついに素敵な赤いオーバーが出来上がります。

そしてクリスマスが近づきます。アンナとお母さんは、アンナの赤いオーバーを作ってくれた人たちをみんな、クリスマスイブに家に招待しました。
みんな、新しいオーバーを着たアンナは本当にかわいいと思い、こんなに素敵なクリスマスはまったく久しぶりだ、と言い合ったのでした。

実話を元にしたお話です。
戦後の物のない時代に、一枚のオーバーを手に入れるのは大変なことでした。
手間がかかること、長い間待つことをむしろ楽しみ、そうして出来上がったオーバーはアンナにとってかけがえのない大切な宝物になるでしょう。家の装飾品はなくなってしまいましたが、それ以上に大切なものを手に入れたのではないでしょうか。

最初に登場するアンナと、新しいオーバーを着たアンナを比べると、大きく成長しているのがよくわかります。
お話の背景には戦争の暗い影が見て取れます。お父さんは登場しませんし、オーバーの製作に関わった人たちも家族の姿が見えません。

もの余りの時代ですが、年に一度はこんなお話を子どもに読んであげたいものです。大人の心も豊かにしてくれる作品です。

アンナの赤いオーバー アンナの赤いオーバー」 作:ハリエット・ジィーフェルト
絵:アニタ・ローベル
訳:松川 真弓
出版社:評論社

<お母さま方へ >
このお話は第二次世界大戦後、実際にあったことでした。自分達が大切にしていた物を手放し、また長い間がまんもして、とうとうすばらしい結果を導いたのです。
ハリエット・ジェーフェルトの文と、カルデコット賞をとったアニタ・ローベルの絵はこの絵本の深い主題----愛、忍耐、自己犠牲、不屈の精神----を知らず知らずのうちにさし示してくれるでしょう。お子さまといっしょに、くり返しお楽しみください。


絵本ナビ編集部

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