
本屋さんで号泣

毎日届く絵本ナビユーザーの生の声!気になる新着レビューをご紹介します。
今回ご紹介する作品は…?
■ 本屋さんで号泣 『おかあちゃんが つくったる』
ちょっときれいめの大きな本屋さんで見つけました。
「おとうちゃん」の続編だ!とすぐにその場で読み始めたのですが……いい大人が児童書売り場でまさかの号泣。
おかあちゃん、うれしいけどちょっと困る。外から見るとほほえましくって笑える。
最後までおかあちゃん道を貫いているところがかっこよくってホレボレします。
強くてやさしくて最高のおかあちゃんです。
お母さんからうまれてきたすべての人におすすめします。
ぼくは小学3年生。ぼくとねえちゃんとおかあちゃんの3人暮らし。
おかあちゃんは何でもミシンで作ってしまう。
「まさひろくんみたいなジーパン こうてえな」と言えば、
剣道のはかまのきれですぐに作ってくれたし、
「たいそうふくの生地があついねん」と言えば、
ワイシャツみたいなつるつるの体操服が出来上がる。
学校で着てみると、みんなに笑われた。
ちょっと、へん。いや、だいぶへん。
これなら大丈夫と思って頼んだかばんには、なんと真ん中に大きな名前の刺繍が!
おとうちゃんが亡くなって、ひとりで頑張るおかあちゃん。
その姿はいつも元気で前向き。子どものことが何より一番なのです。
ちょっとくらい「へん」でも、全く気にしないのがおかあちゃんパワーなのです。
でも、さすがにとうちゃんはミシンで作られへんやろ。
そう思って安心していた父親参観日に現れたのは…!?
長谷川義史さんの自伝的絵本『てんごくのおとうちゃん』のつづきのお話。ぼくとねえちゃんのためにおかあちゃんが頑張る姿をユーモアたっぷりに描きます。
読んでいると、おかあちゃんに笑わせられたり、あたたかい気持ちになったり、元気をもらったり。絵本を通しても、みんなを明るい気持ちにしてしまう「長谷川家のおかあちゃんパワー」のすごさを体験してみてくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
「てんごくのおとうちゃん」
作・絵:長谷川 義史
出版社:講談社
天国のおとうちゃん、元気にしてますか。
幼いころに亡くした父との、少ないけれど大切な思い出。人気絵本作家、長谷川義史が描く、温かいユーモアで包み込まれた父と子の交流が、心にしみ渡る1冊です。