7000以上もの島じまからなる熱帯の国フィリピン。それぞれの土地で、貧しいけれども、助け合いながら生きる人びとの生活を取材。
フィリピンの国土、自然、農産業、伝統文化、歴史、子どもたちの暮らしなどを現地取材して紹介する写真絵本。
日本ではバナナや出稼ぎ労働者、観光地、ドライマンゴーなどでお馴染みの国。近いけど遠い印象があった。近所の教会には英語ミサの時間があり、主にフィリピン人のクリスチャンが集まってミサをしている。日本人だけで行うものと違い、ギターの演奏で楽しくにぎやかな雰囲気だったのが印象的だった。
私は旅行などで訪れたことがないが、この写真絵本で現地の様子を少し知ることができてうれしい。複雑な歴史があり、日本も太平洋戦争中に占領・支配したり、現地の人にひどいことをしたり、環境破壊を進めるような工業を行ったり、問題も多い。複雑な気分になった。
以前、東京で行われていたフィリピンの祭りに行くと、送金関係の業者のブースがやけにたくさん出ていて盛んに宣伝していた。当時は意味がわからなかったけど、外国に出稼ぎに行く人がたくさんあり、送金するビジネスがけっこう重要だとわかった。
貧富の差が激しいが、貧しいとされている地域でも、自分たちで工夫して楽しみを作ったり、助け合ったりしてい暮らしている様子が心に残った。
冷房完備の学校で生活している裕福な日本人の学生が、学校に行けずに路上で商売をしている同年代の子どもをみて書いた作文があり、現実を直視して必死に考えている子どもの真摯な気持ちが伝わってきた。
外国だけでなく、いろんな場面でいろんな現実を見ながら生きている私たち。どうしたらよいかを考えることは大事なことだと思った。 (渡”邉恵’里’さん 40代・その他の方 )
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