ぼく、3年3組あべ・たろう。めいぼでは1番だと思うだろう?ところが最後なんだ。先生が最後にくる子がいやだろうなってさかさにした…。そこがちょっとちがうんだ!
手にしているのは2003年13刷というものですが、どうやら書かれたのは1976年のようです。このころは、まだカラーテレビ、白黒テレビという対立概念があったように思うのですが、この絵本の魅力がそれが前提のような気がして・・・20代以下の人に伝わりにくいかも、と思いました。
語り手あべたろうくんは、3年生。担任の先生は名簿順をあいうえおの逆さまからにするような、ちょっとおもしろい人。おとうさんおかあさんは、テストの点が悪くても「わるけりゃ、つぎには、よくなるたのしみがあるよ」なんて言ってくれる、ちょっとすてきな人。相棒の「殿下」くんは「まじりっけなし」の雑種犬で、たろうくんと一緒に白黒テレビを見るのが楽しみ。
たろうくんを取り巻くいろいろが「ちょっとちがう」んです。
今江さん独特の、おお、そう来ますかという発想と、杉浦さんならではの楽しすぎるデザインが、美しい価値観を支えます。
大勢の前で開き読みをするよりは、ちがいのわかるもの同士で肩を寄せ合って(笑)、わお、と感嘆しながら見てほしい作品と言えるかもしれません。 (あさやんさん 40代・その他の方 )
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