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こんにゃくを世界で一番食べているのは日本!味も姿も地味だけど「腹の砂おろし」に大活躍。葉っぱが1枚しかないコンニャクを、風や病気から守って育てるコツから生いもこんにゃくづくり、こんにゃくゼリーまで。
2000年刊行。植物のコンニャクの育て方、特性、蒟蒻芋の加工の仕方などを紹介する学習絵本。蒟蒻芋を植えてから収穫、こんにゃく作り、精進料理なども楽しめる。
あの蒟蒻が芋からできていたのは知っていたが、どんな植物かなんて全く知らなかった。
1年を葉っぱ一枚で過ごす、という妙な芋で、芋に見えている部分は茎。花も咲くが、受粉しにくい。エグ味が強く、ネズミも食べない…などと、かなりの偏屈者。曲者である。
そんな摩訶不思議な植物を、毒を抜いて食べようとした人間は、もっと変だ。およそ人間ほど変な生き物はいないとわかる。
120年以上も作り続けていける「自然生畑」(じねんじょうばたけ)。
普通は作物は、同じ場所に同じものを植えると「連作障害」を起こすのだが、コンニャクは二年も三年も同じ場所で頑張れる。伝統的な栽培方法で、大量に作るには向かないが、なんだかのんきな雰囲気があって素敵だ。コンニャクが植わっている場所の環境を整えていくと、その周りのほかの植物やそこにいる生き物たちにも快適なように見える。今流行りのSDGsをうんと昔からやっていた、ということか。
いずれにせよ、コンニャクの不思議な魅力がよくわかる上、
コンニャクを大事に食べようと思える楽しい一冊。
情報量が多く、大人もしっかり勉強になる。 (渡”邉恵’里’さん 40代・その他の方 )
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