少年が飛ばす紙ひこうきは、少年の心を乗せて大空へと舞い上がり、はるかな星ぼしを廻ります。微妙な色調の布を使った精緻なキルティンク゛による抒情的な作品。
1998年度ボローニャ国際児童図書展賞受賞ということですが、
なんと、キルトアートによる作品です。
染めから手掛けた布だからこその、繊細な色彩と独特の風合いが印象的です。
作者が紙飛行機を飛ばした感覚を幻想的に描き出しています。
この紙飛行機の造形が素晴らしいです。
絶妙なアングルで、その飛翔感まで伝わってくるのが不思議です。
紙飛行機が目撃した様々な星が、何とも滋味深いです。
大胆な配色だったりしますが、しっくりと風景に溶け込んでいます。
まさに、キルトアートの可能性を感じました。
表紙から物語が提示されていますが、
紙飛行機を飛ばしたのは、自転車でやって来たスニーカー履きの作者でしょうか。
そして、ぼくのところへ帰ってくるという安心感。
小学生から大人まで、ゆったりと感じてほしいです。 (レイラさん 50代・ママ )
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